ついに運動会当日となりました。
コロナ禍になって初めて全クラス参加の入れ替え制を計画した、今回の運動会。小学校の体育館で行います。
0歳児から4歳児までの発表が終了し、いよいよ5歳児の鼓笛隊の出番となりました。
本番前の控室です。緊張と期待の入り混じった良い表情をしています。緊張をほぐすには笑うことが一番ですが、互いに笑顔の子たちもいますね。お互いに良いコンディションを作っていきます。
ドラムマーチで入場し、「用意!」の完璧な姿勢と笛の音。この子に任せて大丈夫だなと思った瞬間です。
シンバルの2人は練習中にお互いに顔を見合わせて叩く姿が印象に残っています。2人とも恥ずかしがり屋さんですが、本番も堂々と発表ができていました。
叩くだけでなく踊る動きを入れてあります。演奏を華やかに見せる役割を担っています。
最初は太鼓が重くて5分と持っていられませんでしたが、だんだんと長時間持てるようになっていきました。
太鼓が大きすぎて他の子や指揮者を見るのが難しかったけど、隣の子を信頼して隣の子のリズムに合わせて叩くことを覚えてからは音が揃うようになってきました。
地味に見えて重要な楽器です。指揮者のリズムに合わせて叩く要のパートにしてあります。ここが崩れると大太鼓もずれてしまい、全体がめちゃくちゃになってしまう。
何度も何度も合わせて叩く練習をしてきました。左の子は耳で合わせるタイプ。中央の子は見て合わせるタイプ。写真では視線の先が違うのがわかります。人によって得意な方法が異なる。それを見つけて伸ばしていくのも保育士のスキルです。
トリオは1人です。孤独な楽器。自分しかいないからこそ、輝ける。とくにソロパートはトリオしか叩かない。観客も全員が自分に注目する。相当なプレッシャーの中、やってのけました。
ケーキ納豆、オムライス。
他の子も緊張の面持ちでトリオの演奏を見守ります。仲間に見守られているから安心して演奏できる。そんなふうに私には見えます。
小太鼓のソロパートは3人が1人ずつ順番に演奏する構成にしました。つまり、1人が間違えると次の子のタイミングがズレてしまう。責任がのしかかる。仲間のためにも間違えるわけにはいかない。リレーでバトンを繋いでいくような、そんな連帯感が生まれる。
結果は成功。バトンは繋がれました。
そのバトンはどこに繋がるのかというと
文字通り、バトンは指揮者のバトン回しへ繋がっていきます。仲間の演奏を背中に感じながら、観客に向けてバトンを回す。最後の大技です。
思えば、指揮者の役割も譲ってもらったんでしたね。繋がるバトン。仲間の優しさを感じ、譲ってくれた子の想いも背負い、技を繰り出します。
決まりました。最高です。見事にやってくれました。
鼓笛のことなんて何もわからなかった私が、楽器も持てずに音も聞き分けられなかった子どもたちと一緒に成長し、1曲披露できるなんて、まるで夢のようです。子どもたちは夢中になって練習してきました。私たち保育者も必死でサポートしました。その結果です。
担任の保育士ってこういう気持ちなんだなと思いました。子どもの輝きを間近で見ることができる、素晴らしい仕事。行事だから輝く面もありますよね。保護者の皆様に披露することが、子どもの成長を後押ししている。
外部講師や音楽の専門家ではないから、こうやって子どもたちの心を育てるような構成にすることができました。隣の子を信頼しないとできないとか、バトンをつなぐことで心を繋いでいくような構成にしようなんて普通は考えないでしょう。私は子どもの心が育つような構成と練習方法を考え、環境を整えただけ。ここまで来れたのは、子どもたちの力です。
真実はいつも一つ。
「大人も子どもも夢中になることが、子どもを輝かせる。」
子どもたちから大切なことを教えてもらいました。大変だったけど、やって良かった。
以上、鼓笛隊プロジェクトでした。自分が関わった企画なので、ちょっと熱く書いてしまったかもしれませんね。
次回は焼き芋プロジェクトです。乞うご期待!