345歳児合同プロジェクト「クリスマス会」その4、最終回です。
ついにクリスマス会当日を迎えた345歳児クラス。素敵な写真と共に見ていきましょう。
#12
いよいよやってきました。クリスマス会当日。
というか「くりすますかーーーーーーーい」当日。
3歳児クラスが前に出てきて、自分達の作ったクリスマスツリーと看板の説明を始めました。どこを頑張ったか、どこを工夫したか、一人ひとりが発表をしていきます。
「これね、ぼくが作ったの!」
「○○ちゃんは、ここを作ったんだぁ」
みんな、誇らしげです。工夫して作るのが楽しかったけど、やっぱりみんなに見てもらうたいし、認めてもらいたい。当たり前です。こんなに立派になったけど、まだ3歳児クラスですから。
みんなも拍手で応えます。
最終的にクリスマスツリーはこんな感じになりました。大人が作ったらこうはならないですよね。子どもの世界って素晴らしい。そして1人ひとりの個性がぶつかり合って完成したわけです。これが3歳児クラスの個性の爆発です。芸術は爆発です。
自分達で考えた振り付けを、自分達で作った衣装を着て披露する。言うのは簡単だけど、実行するのはとても大変です。
全員集合の写真で、それぞれの衣装の工夫やこだわりを確認してください。ファッションとは自由であるべきと言いますが、それぞれの心の底から出てきた感性を私たちは感じ取ることができます。全員がデザイナーで仕立て屋さんでダンサーです。
4月の初めてのプロジェクトで「ピタゴラスイッチをやりたい」という意見が出て、やってみたけど全然上手くいかなくて、水遊びが始まって床を水溜りにしてうやむやになっってしまった。
あれから9ヶ月。いろんなことがありました。
そして、一番ピタゴラスイッチをやりたがっていた子が仲間のサポートを受けて、今日みんなの前で成功させました。
小さな夢が叶った瞬間です。
とっても可愛いダンスと楽器の演奏をしてくれました。みんなの前に出て踊るようなタイプじゃなかったんですよ、3人とも。こんなに堂々と発表できるなんて、あの頃には考えられなかった。それだけ子どもの成長というのは、私たち大人の想像のはるか上を行ってるんだなと、あらためて思いました。
製作そのものが苦手で全然やろうとしなかった子もいます。ということは、この9ヶ月で製作することが好きになったということです。上手に作るとか、やらなきゃいけないからとか、そういうことじゃなくて「やりたいことを楽しくやった結果」が今なんですね。
きっかけは何だったんでしょう。七夕まつりだったのか。水遊びおもちゃ作りか。それとも日々の保育なのか。今となっては分かりません。そんなことはどうだって良いのかもしれないです。この保育園で大切な後輩たちに「手作りのプレゼントをしたい」という想いを実際に形で示すことができる子に育ったということが大事なんだと思います。
メリークリスマスの言葉と一緒に、5歳児クラスから3歳児クラスに、作ったプレゼントを渡します。優しい眼差しをご覧ください。すっかりお兄さん、お姉さんですね。
この後、4歳児クラスにもプレゼントを渡しています。感動して写真を撮り忘れてしまいました。すみません。
もらったほうはこんな感じです。装飾された箱を開けたら何か入っている子も。実は箱の中にも製作物を入れていたみたいです。5歳児の製作したプレゼントドッキリ作戦は大成功です。
それぞれがこの日のために何をしたいか話し合い、準備をして、協力しながらクリスマス会というプロジェクトに取り組みました。クラスごとやチームごとに違う出し物や準備をしていましたが、クリスマス会を楽しみたいという願いで心が一つになっていたんじゃないかという雰囲気を感じ取ってもらえたら幸いです。
いかがでしたでしょうか。345歳児クラスがそれぞれクリスマス会の成功を目指して向かっていき、協力していく様子を見ていただきました。
これが今の日本の教育である「主体的・対話的で深い学び」の実践の形だと思っています。
長いプロジェクトだったので、駆け足で説明させてもらいました。「細かいところも知りたかった!」という声も出てくるかもしれませんね。しかし今回は細かい話というより、成功に向かってそれぞれが協力していく姿を連続してお見せすることで、全員に共通する「想い」みたいなものが伝わるような気がして、このような構成にさせていただきました。
子どもたちのやる気、集中力、工夫、協力、仲間、楽しい、嬉しい、成長、そういったキーワードが浮かんでくるんじゃないかと思います。
一回の保育をいくら分析しても見えてこないものがあります。一つのプロジェクト保育を連続体として分析しても、やはり見えてこないものもある。今回のクリスマス会プロジェクトは4月から全部繋がっていて、過去の経験があって今があるという「集大成」のような意味合いで見てみると、子どもたちの成長がより見えてくるのです。
4月のプロジェクトでピタゴラスイッチがうまくいかずに流れてしまった時に「卒園までに子どもたちからリベンジの声が上がり、達成するだろう」と私は考えていました。それは予想ではなく予言でもありません。最後まで「やりたかった」と言っていた子どもの想いを感じ取っただけです。子どもを信じたという表現もできるかもしれません。
私たち大人は忙し過ぎて忘れてしまいます。「心を亡くす」と書いて「忙しい」ですから。子どもたちの願いを、想いを、忘れないようにしていくこと。子どもが輝く環境を用意していくこと。それが私たち保育士のやるべきことの一つなんじゃないかと思い、担任と一緒にここまで進めてきました。
今年度の幼児クラスの保育の集大成は「生活発表会」と「クリスマス会プロジェクト」です。保育士とのコラボレーションである「生活発表会」と子ども主体の「クリスマス会プロジェクト」は性質が異なる別のものでありながら、車の両輪のようにセットになって子どもの心と身体を育んでいます。
さて、集大成と言いながら、これで今年度の幼児クラスのプロジェクト保育が終了ではありません。今年度最後のブログ「345歳児合同プロジェクトおわかれ会」にご期待ください。