丁寧に一年間の成長を追いかけてきた令和5年度のブログもこれで最終回です。子どもたちが辿り着く最後の景色は何なのか。卒園する5歳児クラスが私たちに見せてくれるものとは。それでは、最終回スペシャル、スタートです!
♯7
この遊びも今日で最後ですと伝えると自然と起こる拍手と歓声。子どもたちもなんとなく感じていたのでしょう。今日をめいっぱい楽しむぞ、という意思を感じます。
休んでいた5歳児が復活しても4歳児を交えて進む制作。そこに学年の差はなく、ただ仲間であるという感覚だけがそこにある。前回一緒に作ったという体験が、心をつなげている。
遊園地グループでは3歳児が中心となってジェットコースターを仕上げていきます。
初回では丸くなってダンボールに意味もなくお絵描きをしていましたが、目的を共有し、やり方を共有したからこそ、このような行動に出られるのです。
鬼グループ。5歳児が最後の紙芝居のシナリオを追加しています。4歳児は衣装作りと豆の制作。最後の追い上げです。
5歳児が描いている場所は、3歳児の「おーろだ」が生まれた場所です。今回は制作シートも敷いていますね。
以前4歳児のびっくり箱プレゼント遊びをしていた場所で、5歳児が同じ遊びをしています。そしてこれは遊園地作りプロジェクトの第一回でお化け屋敷で担任を驚かせた遊びの再現でもあるんです。不思議と同じモチーフの遊びが重なって展開されるんです。
鬼のパンツだけでなく、衣装そのものを制作しました。完成を喜ぶ4歳児の2人。自分たちで作ったからこその笑顔。保育士が用意したらこういう表情にはなりません。全部自分たちでやったからこそ。プロジェクト型の教育の効果を感じます。
開閉できる扉、煙突に続いて、お菓子の家作りで断念していた「くり抜いて作る窓」を作り上げました。賢い2人だからこそ試行錯誤の上に工作スキルを発揮できています。遊びの興味関心は人によって違う。この2人の今の興味関心は、こういうレベルの高い工夫を行うことです。
それができる仲間に出会えたことがすごく良い。今までは男の子とか、誰かのために動くことが多かった子達です。他人を良い意味で気にせず、今回は自分たちの遊びに夢中になれたというのがすごく良いなと思います。
ペープサートをダンボールに挿すために鉛筆で穴を開ける作業をしていましたが、それを応用して何度も鉛筆を刺して穴をくり抜くことを思いついたわけです。これが「深い学び」です。大人が教えないことで気付く。
遊園地作りプロジェクトのコーヒーカップの再現ですね。4歳児が5歳児を乗せて遊んでいる。学年を超えて遊びを共有しています。
滑り台を滑るという単純な遊びをもう誰もやっていません。そんなことより、何かを生み出す方が楽しいし、みんなで作る方が嬉しいと思っています。
ダンボールをつなげていく遊びが広がっていきます。秘密基地やポケモンホテルのイメージがみんなの中にある。つなげて遊びたい。立体にしたりトンネルにしたい。それはクリスマスマーケットで体験した5歳児のお菓子の家のイメージともつながり、3歳児4歳児から5歳児へのリスペクトや5歳児自身のセルフカバーにもなっている。
5歳児と4歳児の秘密基地を引き継いだ3歳児の男の子の周りに集まる3歳児クラスの子どもたち。中で作業してる子に外から「大丈夫?苦しくなったら言ってね」と声をかけています。3歳児って呼吸の心配もできるんですね。すごい。
5歳児が始めた秘密基地。前回は4歳児が作って、今日は3歳児が作っている。遊びが引き継がれていくのがなんとも不思議ですね。
立体遊びは至る所に。5歳児を中に入れた立体を作る4歳児たち。さっきコーヒーカップに入っていたのも5歳児でしたが、どうやら5歳児を4歳児たちがもてなす遊びになってきています。お別れ会にふさわしい展開です。いろんなところで同じような展開になっていきます。
実は初回からジェットコースターとメリーゴーランドの2つを作ることになっていたのにここまで何にもならなかったためブログでも取り上げられずにここまで放置されてきた木馬。
その木馬を3歳児だけで飾り付けていきます。4歳児や5歳児は必要ない。自分たちだけでも作れる。すっかりお姉さんになりました。
衣装の切れ端を園長に貼り付ける4歳児の2人。4歳児ダンボール遊びの時、園長に攻撃性を発揮し、最終的にダンボールを高く積んで閉じ込める遊びのキッカケを作ったのもこの子たちでした。愛と攻撃性が未分化ってやつでしたね。
ダンボールでぶつかるとか、閉じ込めるとかじゃなく、自分の衣装と同じものを園長に分け与える。同じものを身につけて欲しいという想い。イライラも何もない。おこりんぼ鬼はどこにもいない。今この部屋の中には愛しか存在しない。
3歳児が秘密基地もジェットコースターもメリーゴーランドも作っています。完全に最後の最後で主役となりました。分業することで、効率良く最後の仕上げをしています。こんな3歳児クラスが他の園にいたら見てみたい。本当にすごい。
新しい衣装ができたと見せにきました。これは4歳児七夕まつりプロジェクトの衣装のマント。あの時の赤は織姫、青は彦星でした。それが融合し、鬼の衣装になっています。
「スーパー鬼に進化したよ」
なるほど、ポケモンの進化からも影響受けているのかもしれない。
一つの椅子に背中を合わせて複数人で座る。これは23歳児合同プロジェクトの最後に2歳児に見られた現象です。あの時の2歳児クラスの純粋な優しさ。それも3歳児に影響を与え、今の3歳児がある。全ては繋がっている。
3歳児が係員となって4歳児たちを誘導して遊んでいます。4月のコーナー遊びでは1人で黒ひげ危機一発をしていた3歳児が4歳児たちを誘導しながら遊んでいる。こんな光景、一年前には絶対に想像できませんでした。4歳児もちゃんと3歳児の係員に従って遊んでいるのも成長ですよね。下の子に優しくできているわけですから。
そしてお待ちかねの5歳児。今まで何にもなってなかった長い棒をくるくると回して・・・
決めポーズ!!
5歳児運動会の鼓笛隊の指揮者の最後の決めポーズです。この子は指揮者でしたが、それを突然再現し始めました。
鼓笛の曲は「新時代」。新時代はこの未来だ。世界中全部変えてしまえば。
遊びは世界を変えていく。
続いて2人で棒を担ぐ。そうです。七夕まつりのお神輿の再現です。
そして5歳児の生活発表会の劇で演じた剣を使った殺陣のシーンを再現します。相手役の男の子は4歳児の劇で鬼のボスとしてやはり殺陣のシーンがありました。熱が出て本番は休んでできなかった殺陣を今ここで再現します。
鼓笛の指揮棒回しもそうですが、自分たちが何度も練習してきたものは体が覚えている。習慣は子どもを作る。毎日の積み重ねが教育なんだなということがわかります。
こちらは頭に2つの飾りをつけてポーズ。この子はハロウィンでSPY×FAMILYのアーニャの衣装を着ていたので、その再現になっています。しかも鬼のツノの再現だとも言える。
隣ではちょんまげ。4歳児の運動会の和のダンス、桃太郎の劇を思い出させます。
ポケモングループはついにアルファベットの看板をつけるまでになりました。よく見ればちゃんと中にポケモンが貼ってあります。ポケモン探しの目的は十分に達成されていると言えるでしょう。友達が作った作品を見て「すごいね、これ」と言っていますが、そう言える君もすごいよ、と私は思います。
一度みんな集合し、これから好きなところに行って遊ぶことを伝えます。店番をどうするのか等も何も言いません。クリスマスマーケットで店番とお客さんを分けた設定をこちらが作りましたが、今回はあえて自分たちで考えてやってもらいます。
鬼グループは声を掛け合って集合し、集客を行い、スタートしました。「始まるよ、始まるよ!始まるよったら始まるよ!1と1で・・・」と保育士が行なっている手遊びを行なっています。
6年前は赤ちゃんだった君たちが、こんなことをできるようになるなんて。涙が出てしまう。
紙芝居と演劇の組み合わせの発表。いつもより観客との距離が近い。だから気持ちも伝わる。
基本的には女の子が歩いていると鬼に出会い、豆で退治することの繰り返しな訳ですが、ちょっとずつ違うシチュエーションが毎回追加されていました。どんどん強くなる鬼に立ち向かう女の子。卒園してどんな困難があっても乗り越えていこうという5歳児の決意を感じます。
遊園地。秘密基地に入る3歳児たち。それを見つめる5歳児から秘密基地を託されていた3歳児の男の子。今日はあの5歳児はお休み。みんなの笑顔を見て、満足そうな顔をしている。正面からの写真がないけど、背中で語っています。
モンスターボールをポケモンにぶつけるアトラクション。投げている4歳児はさっきまで鬼の発表を楽しんでいました。最高のお客さんですね。何に参加しても意欲的で、喜んでくれる。
「遊園地作りプロジェクト」は「クリスマスマーケットプロジェクトのお菓子の家作り」に繋がっていると以前に書きましたが、なんとこの「お別れ会プロジェクト」にも繋がっているんだなとわかりました。鬼のショーがあって、ポケモンのアトラクションやジェットコースターがある。この部屋全体が遊園地みたいなものです。それを3クラスで作り上げています。
4歳児で作った秘密基地をひっくり返して船にし、棒をオールにして大海原に冒険に出ています。ダンボールに入った3歳児が「あっちに大きなサメがいるよ!」と言っています。みんなでサメを退治する遊び。一部の3歳児女子とだけしか遊べず壁の中に閉じこもりがちだった子が、イメージを共有していろんな子と遊んでいる。最初は不安が強くてメロンのカードを手放せなかった子でしたよね(懐かしい)。一年間の変化ってすごい。
鬼の発表が終わった後に演者は解散しましたが、紙芝居を読む5歳児たち。仲間が作った作品に興味がある。ひらがな、文字への興味も広がります。この子たちももうすぐ小学生です。
鬼が泣き真似をしていますが、4歳児七夕まつりで織姫が泣くシーンの再現も入っている気がします。その時の衣装のマントをつけていますしね。
どこにも行かず、ポケモンの店番に集中する5歳児。お菓子の家の店番は最初うまくできなかったけど、当日はうまくいった。その経験と自信があるから、今日このようにやれている。好きなことには夢中になってやれるんですよね。
発表は終わっても、観客はいなくなっても2人で踊っています。理由は簡単。楽しいから。誰かのためじゃない。自分たちのために踊る。楽しいから踊る。
あなたと一緒だから楽しい。
元々前半は鬼グループにいた4歳児。途中から遊園地グループに行ってしまったけど、鬼グループの動向が気になっていました。初期に自分が書いた紙芝居も含め、床に散乱していた紙芝居を大事そうに集めていく。
自分のものじゃなくても、誰かが一生懸命作ったものは大切にしたい。そういう気持ちがこの子からは溢れているように思えます。
長い棒は太鼓のバチにもなる。
5歳児七夕まつりの合奏で使った太鼓、運動会の鼓笛で叩いた太鼓。一年間を振り返るかのような遊びが続きます。
遊園地作りプロジェクトでのゾンビの戦いを思い出させる展開。1人は攻撃を、1人は防御を。なんと「プうたみ」を盾にしています。
ちゃんと手加減しながらやり取りするあたりに成長を感じました。ポケモンの2人ですが、鼓笛隊では2人とも大太鼓を担当。私が考えた大太鼓のソロパートの技名は「ポケモン」だったなとこれを書いていて思い出しました。点と点が繋がっていく感じがゾクゾクします。
ちぎれてしまったポケモンのペープサートを拾い、セロテープで繋ぎ合わせる。これも遊園地作りやクリスマスマーケットの再現となっています。
ここまで再現してくると偶然とは思えない。みんな一年間を振り返っている。意識してるわけではないと思います。無意識の世界で、卒園と別れのイメージを共有しているのかもしれません。
「はい、直ったよ」と4歳児に渡します。「ありがとう」
4歳児のための行動でした。5歳児クラスの子どもたちは、5歳児同士での関わりが強かったわけですが、相手が誰であれ、その優しい行動はちゃんと行われることが証明されました。この園で学んだ優しい心は、これからも発揮されていくことでしょう。
3歳児と一緒に眠る5歳児。鬼の紙芝居では保育士ごっこになっていましたが、こちらではお母さんごっこですね。
そこへ忍び寄る影。
恐竜となった4歳児が3歳児たちを狙っています。
「みんな、逃げて!」
お母さんとなった5歳児が3歳児たちを逃がしていきます。追いかける恐竜と逃げる人間たち。
4歳児ダンボール遊びの恐竜と、3歳児新聞紙遊びのゾンビ、45歳児遊園地作りでのゾンビ。それぞれの再現が重なり、部屋全体を巻き込んだ騒動へと発展します。
ダンボールの上に乗ってポーズを決める恐竜。これは4歳児ダンボール遊びの時の、不安定なダンボールの上に乗って潰れないようにする遊びの再現となっています。
全クラスのこれまでの遊びが混ざっていく。
そこへ現れる両手に武器を持った5歳児。遊園地作りの時はゾンビの役割と人間の役割が混ざっていましたが、数ヶ月たち、しっかりと自分の役割をわかって演じて遊ぶことができるようになっています。今、みんなを守るヒーローへと変身したのです。
個人的には遊園地作りのときに達成できなかった5歳児の女の子を自分が守るという使命を全うできているところが面白い。そういえば4歳児の劇ではこの子は桃太郎でした。もともとみんなのために頑張る子だったんです。
そして笑いながら追われる恐竜。ちゃんと遊びとしてわかっている。深追いや、全体の遊びを破壊するような動きまではいかない。遊園地もポケモンも鬼も壊すことはない。このやり取りで恐竜騒ぎは収束。3歳児たちは守られました。
開閉できる扉を通って1人で入る子を見て「私も入りたい!」
でもまだ入ったばかりでもう少し遊びたい。
さぁ、どうする?
そこに現れた4歳児。それぞれの気持ちを聞き、遊びのルールを提示して順番に入ることになりました。それに従い、仲良く遊ぶ3歳児の2人。
こんなことまでできるようになったのかと4歳児の姿に感動です。
5歳児の子達に優しくしてもらい、サポートしてもらった。そういう体験を経て、その優しさや問題解決方法を自分なりに取り込み、実践しています。
秘密基地に潜り込む鬼の4歳児2人。途中入園だった2人も、今ではみんなの輪に完全に溶け込み、こんなに仲良しの姿を見せてくれる。
というか、手には「プうたみ」。
え?なんで?
同じく秘密基地に入り込む3歳児の2人。
入園したばかりの4月にはみんなの輪に入れずに勇気を振り絞って入っていった左の子。右は奇跡を起こす青い髪留めの子。一年前の345歳児合同コーナー遊びや3歳児新聞紙遊びで存在感を放っていた2人。この子達の遊びが面白すぎて皆さんに紹介したくなって全部のプロジェクトをブログにしようと決めたのが懐かしい。
本当の友達にしか見せない表情。小さい体でいろんなことを乗り越えてきた。1年間の重みを感じます。
今日の1日だけでも奇跡みたいな展開がたくさん見られました。みんなの凄さは結局1年間変わらなかった。いつも成長の輝きを私たちに見せてくれました。
ということで、楽しかった時間もおしまい。週末には卒園式を控えている5歳児クラスの子どもたち。最後の最後まで見どころ満載の遊びを見せてくれました。
遊びすぎてボロボロになった遊園地。それがすごく良い。綺麗に遊ぶことは大事じゃない。みんなで素敵な思い出を作ることが大事なんだから。
みんな満足した顔をしています。最後のプロジェクトは大成功です。
片付けの時に作った本人に聞いてみました。「プうたみ」とは何だったのかを。
「これは吉川だよ。よしかわって書いたの」
埼玉県吉川市に保育園はあります。吉川駅の看板だったようです。ほとんど子が吉川で生まれ、そして吉川の保育園で育った。今回の遊びの象徴だった「プうたみ」はみんな同じ時代に同じ場所で生きてきたという証だったのかもしれません。
「ねぇ、園長先生」
何?
「なんで僕、プうたみって書いたんだろう?意味わかんない」
えーーー!?
以上、グループ発表お別れ会プロジェクトでした!
最後の解説です。
最終回に向けて少しずつ過去の遊びの再現は出ていましたが、最終回で一気に爆発しましましたね。予想通りの展開でしたが、まさかここまで今までの行事やプロジェクトの内容をなぞっていくとは思っていませんでした。子どもの遊びは本当に面白い。こちらの予想を上回ってくるのがワクワクしました。
卒園を前にして、これまでの毎日を振り返るような遊びがたくさん出てくる。これは偶然ではありません。プロジェクト保育であることは子どもたちはわかっていないけど「園長が写真撮ってるし、いつもとは違う遊びだな」くらいは思っているかもしれない。そうすると、これまでのプロジェクトで展開した遊びが無意識に結びつく。園長が指導した鼓笛が無意識に結びつく。「今」と「過去」がつながり、それを3クラスが同時に展開するものだから、重層的に、そして複雑に絡み合って、相互作用を起こしながら遊びが変化していく。
プロジェクト保育の象徴である園長の私がいて、今日が最後だと印象づけられれば、こういう展開になる可能性は高くなるのです。それだけ、プロジェクト保育が子どもに与える影響が大きかったということ。主体的・対話的で深い学びが子どもを変えていくことの証明でもあります。主体的に、対話的に行った遊びは深い学びとなって子どもの根っこになる部分を創っていく。無意識まで根を張っていることは、年齢を重ねても残るはず。それが世界中で認められている非認知能力の教育的効果なのです。根っこが育っていれば、どういう花も咲かすことができる。この子達の将来が楽しみです。
こういう展開を見ていると「大人より、子どもの方が何倍もすごい」と思います。純粋に尊敬できる。そして、子どもに大人が教えるというのはちょっと違うんじゃないかと思っています。子どもも大人もない。みんなで育ち合う。学び合う。それが良いんじゃないかと考えています。
そのためには矛盾するようですが、子どもをしっかりと教育できる知識やスキルが大人側に必要です。学び合うというのが一番難しい。白か黒という極端な考えじゃない灰色の世界。そのどちらでもないグラデーションの中に大切なものがあるんです。例えば、「保育士主導」と「子ども主体」のバランス。例えば、「養護」と「教育」のバランス。そういった「間」に子どもが存在している時に輝くのではないかと思いました。子ども主体の保育は間違うと放任になってしまう。それは教育ではありません。どちらかに偏らない保育環境を作るのが、子どもを教育する上で大切な要素です。
令和3年度はプロジェクト型の保育を手探りで始めた年で、ブログで全部解説をしましたが、どちらかというと遊びの紹介の意味合いが強いものでした。令和4年度は5歳児クラス、その中でも行事を絡めた1年間をまとめるような内容になっていました。
そして令和5年度。345歳児合同コーナー遊びから始まり、345歳児単独を経て、23歳児合同、45歳児合同、そして345歳児合同へ戻ってくるという環境設定で行い、その全てを丁寧に解説させていただきました。
遊びが時間を超えてつながり、進化する様子。誰かの想いが誰かに伝わり、受け継がれていく様子。優しさが連鎖する様子。子どもたちが人を好きになっていく様子。そして自分自身をも好きになっていく様子。そういったことが読者に伝わってくれていたら、とても嬉しいです。
おそらくここまでの分量と深さで考察しながら保育を紹介する媒体は日本に存在しないんじゃないかと思います。そして、こんなにも素晴らしい輝きを見せる園児たちもそうはいないと思っています。私がこの子達を大好き過ぎてそう思ってしまうだけなのかもしれませんが、あの子達の素晴らしさをいろんな人に知ってほしいのです。
この一年間、勤務時間以外に少なくとも200時間以上の労力を注いでブログを書いてきました。別にやらなきゃいけないものでもない。誰も読んでないかもしれない。保護者の方からネガティブに評価されるかもしれない。愛とか優しさを真面目に書いていることで変な人だなと思われるかもしれない。こんなに頑張ることに意味なんてないのかもしれない。
何度も挫けそうになりましたが、写真を振り返り、子どもの素晴らしさを書いていくと、私自身、自然と笑顔になりました。文章を書きながら、子どもの優しさや成長に涙することもありました。自分で書きながら自分で泣くとかバカみたいですが、事実なんで仕方がない。子どもたちの姿に励まされ、一年間完走することができました。読んでいただいた全ての方に感謝いたします。
おかげさまで今年度はブログの存在をきっかけに保育雑誌の取材を受けるという貴重な経験もさせていただきました。保育が素晴らしいと思ってもらえれば保育士など専門職の皆さんも元気になるかもしれないし、保護者の方も子どもたちの素晴らしさを感じ取ってくれればもっと我が子を好きになってくれるんじゃないかという思いもありました。こんなに素敵な子どもたちと毎日を過ごせる保育士は素晴らしい職業だと思います。そして保育は難しく、奥が深いのです。毎日が勉強です。
来年度のブログをどうするかはまだ決めていませんが、この一年の反響や自分の仕事量や体調を考慮して一番良い形で進めていけたらと思っています。
子どもたちの笑顔と成長のために、保護者の皆様のために、きらり美南保育園は全力で保育をしています。一年間ありがとうございました。