345歳児合同プロジェクト、グループ発表お別れ会、その2では後半戦をお届けします。第3回で心を一つにすることに成功した子どもたち、いよいよ本格的な準備に取り掛かっていきます。

 

♯4

笑顔の連鎖

第4回。鬼グループ。楽しいことが何よりですね。お別れ会の準備ではあるけど、遊びですから。こうやって子どもたちの笑顔が見られることを嬉しく思います。

 

赤鬼って節分では「おこりんぼ鬼」なんですよね。その鬼が笑っているってのがすごく良い。そして指差していますが、その面白さを他の人にも感じてほしいと思っている子どもたちの心が素敵だなと思います。

 

ちなみに、この第4回からはグループ間の移動はなしです。このメンバーで最後までいくことを子どもたちに伝えて、みんなグループを選んでいます。3回を通して色々試したからこそ、本当にやりたいグループを選ぶことができるわけです。

 

メンバーを固定することで遊びが深まっていく。後半ではその様子を解説していきます。

 

自然と丸くなるのが良いよね

ポケモングループ。まずは大量に作ったけどクオリティが低かったモンスターボールをアップデートします。ガムテープで包むようです。

 

5歳児4人に対して4歳児1人。このメンバー構成がどうなるのか。なかなか面白そう。

 

 

もうすぐ卒園と思うとグッとくる関わりです

鬼グループはまだ遊んでいます。鬼と追いかけっこをしていますね。まぁ、楽しそうなんで良いです。完成させることが大事なんじゃなくて、この瞬間瞬間が宝物なんだから。5歳児と一緒に笑い合えるのも後一ヶ月。お別れが近づいている。

 

 

知恵の発揮

ペープサートを土台にするダンボールに挿したい。どうすれば良いか考え、鉛筆を刺して穴を開けることを思いつきました。

 

見ていた保育士はこれは有りなのか悩んだと後で言っていましたが、私は有りです。危険がないのならそのアイデアは認めてあげたほうが良い。この子達を私は信頼している。制作スキルも心も。やっている行動だけで判断しないというのがポイントなのですが難しいですね。もしこれで怪我をしていたら保育士の安全管理ができていなかったことになる。毎回悩みます。

 

 

節分の豆?

鬼グループも分業が始まりました。赤は衣装と紙芝居、黄色は豆。大量の豆を作ろうとしています。おそらく、前回見ていた大量のモンスターボールを投げる様子から影響を受けたんでしょう。

 

 

本プロジェクトのキーアイテム登場!

遊園地グループではそれぞれの制作が活発化しています。4歳児が看板を作りました。書かれているのは「プうたみ」。

 

え?

 

「プうたみ」ってなに?

 

 

子どもはトンネル大好き

前々回と前回の最後に登場した滑り台終わりからのトンネル。ついに本格始動です。今回は5歳児中心で作っていますね。前回の感覚遊びはなんだったんでしょう。急にやる気になっている。

 

前回の最後に発表会を思い出させる展開がありました。やる気の回復にはそれも一役買っているかもしれませんね。

 

 

さりげない成長

こちらは5歳児が3歳児と一緒に作っています。5歳児の子は1人でなんでも先行していくタイプだったんですが、ここにきて「誰かと一緒に作る」という行動に出ています。しかも3歳児と一緒に、その子のペースに合わせて作っている。こういう変化に気付けた時、本当に嬉しい気持ちになります。

 

 

ダンボールに入りながら直すのもこの子らしい

壊れてしまった看板の「プうたみ」を直す5歳児。

 

もしかして、今回のプロジェクトは5歳児が主役じゃないのかもしれない。自然と3歳児と4歳児のサポートに回っている気がします。特に遊園地グループはその傾向が顕著です。

 

 

一列にならずにそれぞれの持ち場での発表

それぞれの制作が進み、まとまりはないけど確実に前進しているなという発表になりました。ぐだぐだだけど保育士がまとめたりしません。子どもたちで発表し合う。ぐだぐだでも、なぜか子ども同士は話をよく聞いています。観客から自然と質問が出て、それに答えるという場面も。一方的な発表から、会話のような発表になってきています。

 

それぞれのグループの内容を意識し合い、成長を促し合うような雰囲気になってきています。

 

 

ペープサート、土台、ボールが繋がる

ポケモングループは、土台にペープサートを差し込み、補強したモンスターボールを投げて当たったらポケモンをゲットできるというルールを説明しています。ただポケモンの絵を描きたいというところから、徐々にルールが生まれてきて、まとまりが出てきています。

 

 

紙芝居と劇の融合

鬼グループでは、紙芝居の内容にリンクして鬼役と人間役が演技をし、「鬼は外、福は内」で豆をぶつけて鬼を退治するという発表になりました。

 

演技をするのは全員4歳児。つまり、主役は4歳児です。やっぱりそういう遊びになりつつある。5歳児が3歳児と4歳児を輝かす流れです。

 

 

鬼のパンツは良いパンツ

最後は鬼のパンツのダンスで締めます。5歳児が「踊って」と言って場の流れを変え、みんなが注目したところで楽しそうに歌いながら踊る4歳児たち。みんな笑顔です。

 

 

3歳児と遊んであげる5歳児

次回どうするかの話し合いの時間も遊園地グループは遊んでいます。3歳児多めなので遊ぶことが話し合いみたいなものです。会話ではなく対話が大事。寝転がっている3歳児たちに上からダンボールを被せるとみんなで蹴って弾き返す遊び。5歳児が3歳児と遊んであげています。卒園する5歳児が下のクラスの子と遊んで欲しいという保育士の願いは、ちゃんと叶っているんです。

 

 

♯5

今回も分業してますね

第5回。前回ひとしきり追いかけっこしてから作業に入っていましたが、今回は「すぐにやろう!」と声を掛け合って最初から真面目に準備に取り組みます。楽しいだけではダメで、ちゃんと目的に向かってやりたいという意識が子どもたちの中に芽生えています。

 

 

大きさの概念の理解

遊園地グループ。ここにきて長い棒がまたブームになりそうです。3歳児の2人。長い棒の中に長い棒を入れています。これは4月の345歳児合同コーナー遊びの時にトイレットペーパーの芯を出し入れしていた遊びの発展系です。ほぼ一年前の遊びがつながっています。

 

 

絵も追加で描いてますね

「プうたみ」を補強して再利用する子が。自分が作ったわけじゃないのに、大切にしています。自分がとか、他人がとかじゃない。みんなで作っているから、自他の区別がなくなってきているんです。この状態を人は「心が一つになっている」と言うのです。

 

 

懐かしいなぁ

4歳児がダンボールに入り、それを5歳児が蓋を閉めている。これは4歳児ダンボール遊び時の「びっくり箱プレゼント遊び」の再現です。

 

5歳児が4歳児の遊びを引き出している。自然と一緒に遊んでいます。

 

 

2人組は集団の最小単位

鬼もポケモンも2人組になって制作をしています。これも自然の流れ。1人より2人。それが楽しい。当たり前のように誰かと一緒に目的に向かって進んでいく。

 

 

遊びが深まっていく

遊びが深まると立体になる。何度か説明していますがついにお別れ会プロジェクトでも立体の波がやってきました。遊びのゾーンに入ってきた証拠です。3歳児と5歳児のコンビが立体の建造物を作っていきます。これも345合同コーナー遊びで起きた現象ですね。遊びは時を超えていく。

 

 

未来への扉

5歳児女子2人は、開閉できる扉を作ることができました。お菓子の家作りの時に、やりたかったけどどうすれば作れるか断念していた構造なのですが、ついに作ることができました。この笑顔、これが「自信」になる体験の時の顔です。自分で考え、試し、成功した時にこういう表情になる。

 

 

私はこれを待っていた

5歳児男子2名。2人でずっとダンボールに潜り、ポケモンを描き続けている。飽きもせず、笑い合い、愚痴も言いながら、籠っている。1人で行動を起こすことで気持ちを表現していた2人が、寄り添いあって言葉でつながっている。

 

この子達の数年を知っている私には奇跡のような、そして確実な成長を感じる場面なのです。

 

 

やったぜ!という表情がすごく良い

ポケモングループには1人4歳児がいました。他の子たちは2人ずつグループで作っていましたが、この子1人で黙々と作っていました。これはポケモンホテルだそうです。何度も試し、切って、描いて、繋げて。ついに完成したその瞬間の写真です。

 

他の子は2人セットなのにこの子がずっと1人で作業していたことをどう評価するか。これはよくないことなのか。それはこの子の目を見ればわかる。夢中になっていた。つまり、それで良いんです。

 

この一年間、相手に合わせて誰かと一緒に遊ぶことしか興味のなかったこの子が、自分でやりたいことを見つけ、1人で試行錯誤して目を輝かせて作っている。最高じゃないですか。この子に必要なのは、自分自身に向き合って1人で乗り越えることだったんだから。

 

これができれば自然と誰かと良い関係でつながれるようになる。私たちはそれを信じて待っていれば良いんです。

 

 

ここにあるのが必然のように感じる

「プうたみ」を看板として作り直した男の子が持ってきて、女の子が滑り台というジェットコースターに接続しました。4歳児のリレーで、「プうたみ」は遊園地の象徴として、ここに辿り着きました。

 

 

お菓子の家の発展系

立体の建造物はどんどん巨大になり、3歳児と4歳児が集まってきました。新しいブームがここに誕生しています。

 

お菓子の家をダンボールで作った時に、立体にしたいアイデアが子どもたちの中にありましたが、技術的に断念した経緯があります。しかし、今なら立体で作ることができる。確かな成長を感じます。

 

 

棒の活用

長い棒を使ってしゃべる。これは345歳児合同コーナー遊びでのトイレットペーパーの芯を使ったメガホン遊びの発展系だと考えられます。誰かに何かを伝えたいという意思が、こういう行動に結びつく。遊びが人に向かっている証拠です。

 

 

作っては壊れる「プうたみ」

発表の場面で、「プうたみ」は何なのかという観客からの質問がありました。ここで全員の中で「プうたみ」の存在があらためて共有されたことになります。

 

ちなみに立体の建造物は「秘密」だそうです。何を作ったのかは子どもたちしかわかりませんが、まぁ、それも良いでしょう。大人が全部理解する必要はない。子どもが成長すれば良いんだから。秘密にしたいなら秘密にすれば良い。

 

そう。これは「秘密基地」なんだと思います。5歳児が卒園前に「秘密基地を作りたい」と言っていました。秘密基地だから、大人には内緒なんです。

 

 

バラバラに作っても仲間

ポケモングループの発表では、4歳児がひとりで作ったポケモンホテルを一生懸命みんなの前で説明しています。言葉を選び、考えて、しっかりと話をしています。それをサポートする5歳児。インタビューをするように話を聞き出していきます。

 

 

少しずつ変化する子どもたち

鬼グループの発表は基本的に前回と同じですが、鬼の演技が観客に向くという変化が見られました。そして床に落ちた豆を観客が鬼に向かって投げて退治する流れになりました。発表を演者と客で一緒に作り上げるという方向へ変化しています。

 

グループの境目もなくなってきているんです。そう。どんどん「心が一つになってきている」んです。

 

 

♯6

こういうのが面白い

第6回。何度折れても誰かが直す「プうたみ」。何が子どもたちをそうさせるのか。お菓子の家の時に看板が大切であるという理解が子どもたちの中に芽生えていました。看板とは、人に伝えるために存在する。メガホンと同じく、他者を意識して存在するものです。看板がある遊びというのは、人と人が繋がりたいという子どもたちの心の表れなのです。

 

 

ペアが変わっても問題ないという関係性

ポケモングループでは男の子と女の子が1人ずつお休みになり前回のようなペアにはなれません。すると、前回1人で作っていた4歳児に5歳児が声をかけて3人で作っていく雰囲気に。

 

 

この子達もずいぶん仲良くなったよなぁと思いました

遊園地の方も立体建造物をメインで作っていた5歳児がお休み。すると、その場所に4歳児男子が集まり、建造物を作っていきます。

 

この場所に潜れる場所を作る。これは遊園地作りプロジェクトの時の「イッツ ア スモールワールド」です。ちょっと説明が難しいのでその記事を読んでいない人は読んでください。4歳児男子、なぜかよくこの歌を歌っているんですよね。世界中誰だって微笑めば仲良しさ。その通りです。

 

みんなが仲良くなるための場所であるのと同時に、秘密基地でもある。5歳児から4歳児へ、想いは受け継がれていきます。

 

 

内側に描くのは秘密の共有

3歳児と4歳児の女子。それぞれがダンボールに入り、内側に絵を描いていく。ポケモングループが内側に書いていたのを発表で見ていますから、自分たちもやってみたくなる。

 

外ではなく内側に描くのは秘密の共有。そう。秘密基地です。

 

 

嵐の前の静けさ

こんな感じでみんなダンボールの中に潜っています。潜るという行動は自分自身に向き合うのと同義です。3歳児新聞紙遊びで、ブルーシートの下にもぐって「生まれたー!」という新人類への生まれ変わりが起きましたが、それと同じような雰囲気になってきました。今回もしくは次回で遊びが爆発する兆しを感じます。

 

 

笑うことが緊張をほぐす

鬼のパンツをお揃いで身につけ、一緒に踊る4歳児たち。前回までは4歳児と5歳児がペアで動いていましたが、今回は4歳児同士がペアです。5歳児たちはシナリオの追加に夢中になっています。

 

前回まで鬼をやっていた子が今日は休みです。だからいつもは控えめな子が鬼の大役をこれからみんなの前で披露することになる。楽しみながら予行練習をしているんでしょう。1人では乗り越えられないけど、2人なら乗り越えられる。

 

力を合わせれば、なんでもできる。

 

 

ダンボールは心の壁、でしたよね

こちらは3歳児の3人。ダンボールを揺らして中にいる子を楽しませる遊び。これは遊園地作りプロジェクトの遊びと同じですね。それを3歳児が見ていたわけではないのに同じように遊んでいます。

 

閉じこもるための壁ではなく、動きのある遊びとして使っている。3歳児の遊び方が広がってきています。

 

 

3人だから楽しいってのもある

この笑顔。本当に楽しいんですよね。こういう遊びの環境を作れるのが保育士のスキルだろうと思います。

 

ダンボールの中にいるのは3歳児新聞紙遊び時に自由人だった子です。もう自由人じゃない。誰かと一緒に遊ぶことの方が何倍も楽しい。そして女の子は23歳児合同の時に特定の子と遊ぶことに固執していた子です。もう誰とでも楽しめる。もう1人の男の子、この子の笑顔は周囲を変えていくんですよね。素晴らしい組み合わせで遊んでいます。

 

 

例のあれに再会

何回か前に自分が作った「プうたみ」。それがアレンジを加えられて、遊びの象徴としてジェットコースターに接続されている。それを発見し、不思議そうに見ています。

 

クリスマスマーケットでは5歳児が作った仮面ライダーのお菓子をこの子が大事に持っておき、数回ぶりに5歳児に戻るという展開がありましたが、あれと同じです。今度は自分が作ったものを誰かが大切にしてくれて、回り回って自分の目の前に現れた。

 

誰かの想いが重なって偶然再会する。なんだか感情を揺さぶられます。

 

 

2人の笑顔をご覧ください

4歳児と5歳児で協力して作った立体的なホテル。そして煙突。煙突はお菓子の家の時に作れずに断念したものです。開閉できる扉に続いて、煙突も作ることができました。

 

1人ではなく2人で作ったから嬉しい。

 

 

めぐりあい

この日、鬼グループの5歳児から「これ、持っていて。」と園長へ渡されたもの。それは3歳児が作った真実の愛の「おーろだ」とおこりんぼ鬼をやっつける豆。私たち保育士が子どもたちに伝えたかった「誰かを大切に想う」という真実の愛は、4歳児5歳児の劇を通して3歳児にわたり、そして今再び5歳児から園長の元へ戻って来たのです。

 

めぐりあい。愛が循環する。

 

 

作ったものが何なのかを説明しています

遊園地グループの発表はいつの間にか4歳児が毎回行うようになっています。3月の4歳児クラスということは、あと一ヶ月で5歳児クラスになる。世代交代が今まさに行われているんでしょう。

 

 

5歳児に支えられ、嬉しそうな4歳児

ポケモングループは、立体的になったポケモンホテルを実践して見せています。こちらも主役は4歳児。あくまでも5歳児はサポートに回っている。ついにポケモングループも4歳児が主役となりました。

 

 

鬼の代役は大成功

鬼グループ。同じく、主役は4歳児。控えめな性格で、あまり主張をしなかった子が今は鬼役になってみんなを笑わせている。逃げている人間役の子も同じ。目立つタイプじゃなかった2人が、今、一番輝いている。

 

ポケモンの子も、この2人も4歳児ダンボール遊びの時に「お姉さん」だった3人です。みんなでごっこ遊びをするだけだったのに、今は自分の意思で、自分を表現しています。遊園地プロジェクトで5歳児にサポートされて不安定な場所から落ちない遊びを繰り返していました。誰かに支えられる経験が安心感となり、こうやって自信を持って人前に立てるようになりました。

 

 

もうすぐ卒園する子の現在地

ポケモングループの片付け。大きい箱の中に重なるように、たくさん入るように、順番や場所を考えて片付けています。片付けが苦手だった子が、今は率先して効率よく片付けをしている。遊びだけじゃなく、実生活においても成長を感じられる。

 

 

さて、後半戦を見てもらいました。回を重ねるごとに、3歳児と4歳児を主役にするために5歳児が立ち回る様子が見られるようになりました。そういう打ち合わせをしたわけじゃないのに、3グループそれぞれが自然とそういう動きに収束していく様子がわかっていただけると思います。

 

準備と発表を6回行い、十分に遊びが成熟した感じがしたので、次回を最終回とすることを保育士と私で話し合って決めました。連続性のある保育を何回もやってきたからわかります。この遊びには終わりの雰囲気が見えている。確実に次回、遊びの爆発期となる。

 

次回、お別れ会プロジェクトの最終回であり、この令和5年度の総決算。この一年の結末をどうぞ目撃してください。写真多めで最後の解説に移ります。