アトラクション作りから人間関係作りに変わっている遊園地作りプロジェクト。第4回では、一歩先に進んだ人間関係が新たな火種を作ってしまいます。トラブルが子どもたちをどう成長させていくのか。子どもの持つ可能性を見ていただきたいと思います。長いので時間がある時にお読みください。
♯4
今回で4回目ですから、少し飽きが出てくるかもしれない。遊びが停滞するか、展開するかで今回を最終回にするかを決めるつもりで見守ります。本来は、9月から12月もしくは3月末までの壮大なプロジェクトで考えていましたが、すでに人間関係の構築に子どもたちの興味関心が移っていますので、人間関係の変化がある程度のところまでいったらゴールだと保育士は考えています。
本来、何かのプロジェクトを遂行するということは成果物というか、結果を出すまでやるのが当然だとは思います。しかし、「本当の意味で仲良くなる」という目的を共有して動いている子どもたちのゴールは形としては存在しません。こちらで区切るしかないのです。
前回で壁を作る遊びがなくなり、それぞれがまた自分の遊びに集中するようになっています。初回に戻ったような雰囲気です。気持ちが一新している。そうすると、使いたいアイテムの取り合いが起こる。右奥ではブロックの取り合いで言い争いになっています。結果的に揉め事を避けるかのように4歳児に5歳児が譲っています。
4歳児の男の子とブロックの取り合いで揉めたので拠点を移動する5歳児たち。前回盛り上がった滑り台遊びとスライダー遊びが混ざって展開されているようです。
前回、大女優から距離を置いているワンちゃんは木馬(バイク)に乗って1人移動中。仲間に入りたいけど入れない感じですね。
同じく5歳児たちと距離を置いている3号。5歳児の輪に入れず、かといって4歳児男子の中にも入れずイライラしています。そこに通りかかった園長に丸を投げてきました。そのイライラをお友達に出せないで閉じこもってしまうのがこの子の課題。この子が気持ちを出せるのは現状、園長である私だけなんです。仲間に本音を出せるようになると世界が変わるんですが、なかなかそうはいかない。
私自身が遊びとしてふざけながら避けることで、この子の攻撃性をネガティブなものにしないようにしています。マイナスにマイナスで返すのではなく、プラスに変換する。遊びという世界で怒りや悲しみを包むこむ。そのうち、子どももプラスの気持ちに変わっていくものです。叱るだけが教育じゃない。育てるのも教育です。
4歳児女子チームと5歳児女子1名の不安定なところにみんなで乗る遊び。4回連続で続いていますね。こっちを中心にブログをまとめることもできましたが、今回は卒園してしまう年長さん優先でまとめています。
さっき3号が私に投げていた青い大きい丸がここに転がってきました。その丸を足場に利用しています。これを使って乗る面積を広げて、4歳児たちをできるだけ多く乗せようという試みのようです。偶然に手に入った資源を有効活用する素晴らしい遊び方。ここに丸をつかってしまったので、3号は投げることができなくなる。一石二鳥の解決となっています。
不安定な場所にみんなで乗って、不安をみんなで乗り越えるという遊びになっているようですね。誰かが不安を支える。みんなで支え合う。人生と同じです。なかなか深いです。
5歳児チームが小さい丸を集めています。何に使うのかよく会話を聞いていくと、これは薬だそうです。前回まではお金でしたが、今日は薬。子どもの発想によって、無限に遊びは広がっていきます。
中くらいの丸を4歳児男子チームが使用していますね。
5歳児は小さい丸。
4歳児女子は大きい丸。
4歳児男子は中くらいの丸。
きっちり住み分けをして遊んでいるということです。これは4回までやらないと出てこない展開ですね。これまでの遊びで人間関係の成長が見られた結果、争いを無意識に避けていて、みんなが気持ち良く遊べるように使うものを分けているんです。すごい。
そんな中、遊びに入れていなかった5歳児男子2人が、5歳児チームが遊んでいた滑り台にさりげなく入るという、なんとも不器用なやり方で仲間に入ろうとしています。滑った結果、下の緑のマットがずれてしまい、それを女子たちに指摘されています。前回のラストと同じような構図です。
いじけてしまい、プラポイントの残骸の下に入る。つまりみんなが使っていない部分を使っています。アイテムの住み分けが続いていますね。いじけても人の邪魔をしない。この子は優しいんですよね。
そのシーンを写真に撮ったところ、それが嫌だったのか襲いかかってきました。さっきの子と全く同じように丸を私に投げています。これ、さっきの子の様子をこの子が見ていたわけじゃないんですが、やることは同じというのが面白い。良いコンビですね。
みんなからの指摘をワンちゃんが引き受けたおかげで、しれっと仲間に入れた3号。たまたまダンボールを使って滑り台を滑るサーフィン遊びを考案したところ、これが大ハマり。みんなやりたがって注目を集め、一躍スターに。アイデア一つでのし上がる。かっこいい。
4歳児女子。形を変えては上に乗り、落ちては形を変え、また上に乗る。これを延々と繰り返しています。たまに他の子にマットを持っていかれたりしますが、あまり気にする様子がない。これは「何を使って」遊ぶのかではなく「誰と」遊ぶのかが大事だからです。
今回のプロジェクトは、明らかに人と人の結びつきを作りたいという共通の目的を子どもたちから感じます。誰かが口に出しているわけでもないけど、そういう雰囲気がある。これは形のないプロジェクトなんです。
4歳児男子。巨大な乗り物を作り上げました。弾かれた5歳児も後ろに乗り込んでいます。ワンちゃん、遊びで復活です。
この乗り物は何かと聞いたら「タイムマシン」と言っていました。えー!なんで?
中くらいの丸はエネルギーだそうです。こっちはこっちでちゃんと何かに見立てて遊んでいたんですね。まぁ、遊園地関係ないけど。
集めた中くらいの丸。タイムマシンにエネルギーを注入して抜け殻になった丸を4歳児たちが転がして遊び始めました。それが4歳児女子にぶつかっていきます。
実はこの女の子だけ、ずっと1人でここに座っていました。今現在みんなと遊べていないのはこの子だけ。5歳児の滑り台、4歳児男子のタイムマシン、4歳児女子の上に乗る遊び。だけど、この子だけ座って見ていた。そこへ中くらいの丸を転がして遊ぶ子が出てきて、その丸が次々とこの子にぶつかっています。
このぶつかりにより、4歳児同士の間に接点が生まれました。この子も丸を拾って遊び出すことになります。4歳児男子たち、ナイスです。
お友達にぶつけてしまった気まずさから、またしても園長に向かって大量の武器を持って襲いかかる5歳児と4歳児のコンビ。もちろん遊びですので、痛みを伴う強さではやってきません。あくまで戦いごっこです。
さて、どうするか。
どうするのが一番良いのか。瞬時に考え、私が実行したのは意図的に逃げる方向を決めたこと。
5歳児が遊んでる場所に私が逃げ込むことで、5歳児との交流が起こりやすい環境を意図的に作り出しました。私は何も言っていないけど、5歳児の近くまで来れば、必ずそちらで遊び出すと予想したのです。
予想通り、丸を滑り台から転がして遊び出す子どもたち。私に八つ当たりすることは、いつのまにか終わっています。遊びで解決するって、こういうやり方もあるんです。
サーフィン遊びに5歳児たちが夢中になっています。さっきのゴタゴタで一度離れたワンちゃんも一緒に滑っていますね。勝手に出て行っただけで、遊びに入れてくれなかったわけではないので自分の意思があれば戻ってこれるんです。
3号が大女優にサーフィンのコツを教えています。指示に従ってブロックを運んだりと相手に従うことが多かった子が、今は遊びを先導してやり方を教えている。これも人間関係が進んだ上で起こる成長です。
転がってきた中くらいの丸。それを頭に乗せています。天使の輪。あの23歳児合同で出現していた天使の輪が、45歳児合同でも登場しました。
天使が見つめる先は、5歳児。そして横には4歳児。この子だけが全てを見ている。これは何かが起こる予感。
大女優が欲しいというので自分の高性能なダンボールのサーフィン板を交換してあげる3号。
これがのちの大事件のきっかけとなっていくのです。
一方4歳児女子チームは取り戻したマットを跳び箱の上に乗せ、上に乗るチャレンジを続けています。かなり不安定な状態にチャレンジしていますね。保育士が支えることを前提にやっているようです。つまり、保育士への信頼があって成り立つ遊びになっています。子どもと保育士のコラボレーションによって起こる遊びです。
天使の輪っかを集めてマットの周りに並べています。霊的というか神聖な場所のような、少しだけ不思議な空間ができました。仏教のマンダラのようですね。曼荼羅(マンダラ)とはサンスクリット語で「本質を得る」という意味だそうです。つまり、子どもたちが大切な何かをここで得るんじゃないかという期待をしてしまいます。
ちょうど、3つの遊びの交わる位置に作られているのも意味がありそう。この子がみんなを繋げてくれるんじゃないか。そう思わずにはいられません。
天使だったり曼荼羅だったり、宗教観が入り混じる。それだけ、この場所に何か意味が出てくるかもしれない。絵や遊びに宗教モチーフが出てくる時は大きな意味を持つ可能性がある。この辺は私が心理士だからそう考えるんだと思います。保育士から出てくる発想ではありません。
4歳児の遊びに疲れた子が1人、神聖な場所の中に入っていきます。天使が優しくもてなしています。そういえば、この天使、4歳児ダンボール遊びではお母さんでしたね。やはり、みんなを見守る役目なのかもしれません。疲れた人がここに帰ってくる。
4歳児男子チーム。タイムマシンが壊れてしまい、新しく高い塔を積み上げています。まるで文明が崩壊して石を積むかのように。まさに過去の世界にタイムスリップしたのかもしれない。
高く積む遊びは1歳児が好んで行います。つまり、タイムスリップして赤ちゃん返りしているのかも。赤ちゃん返りするということは、自己コントロールが悪くなるので、争いが起きやすくなる可能性が出てきます。
ここから少々びっくりする展開になりますが、子どもたちを信じて読み進めてください。
「何やってるの?私も入れて」
今まで4回つまり8時間くらい一度も交わらなかった2人がここで接触しました。4歳児の乗る遊びをサポートし続けた子「サポーター」が「大女優」に話しかけます。
「○○ちゃんは、あっちで遊んでるんでしょ。」と仲間に入れる気がない大女優。これはおそらく、今まであっちのグループに入っていたのに、こっちのグループに入りたいと言われてもなんか複雑、っていう乙女心(?)だと思います。中学生とか高校生の女子にとても多いトラブルですね。嫉妬とか色々混じった感情。幼児でもこんな高度な感情のやり取りが起きるとは。
納得のいかない顔をして4歳児の遊びに戻るサポーター。これは後を引く可能性が高いですね。
4歳児男子が5歳児のところへ。奥の2人。小さい赤い丸を受け取っています。これは薬でしたね。これも交わるはずのない接触。バラバラに独立して遊んでいたのに、だんだんとつながりができていく。
受け取った赤い小さい丸をはめ込み、何かが完成。神聖な場所の真横。遊ぶ場所もだんだんと近づいてきている。この場所に吸い寄せられるように。
先ほど大女優に拒まれたサポーター。戻った4歳児の不安定な場所にみんなで乗る遊びは、5歳児のサーフィン遊びを取り入れて、同じように滑る遊びに進化しています。さっき、拒まれたからこそ、自分たちの遊びを進化させたわけです。
今まで、ただ上に乗るだけだった遊びが、5歳児とぶつかったからこそ動きのある遊びへ進化する。人の関わりは遊びを変え、そしてまた人を変えていくんです。
3号がいじけて部屋の隅へ行ってしまいました。どうやら、大女優と揉めたようです。自分が貸したダンボールのサーフィン板を返してくれないと言っています。お友達に向き合うのではなく、自分が引いて諦めてしまう。これがこの子の課題。
そこへ、5歳児の男の子が優しく近づいていきます。近くに座って、近くにあったダンボールをヒョイッと3号に投げる。
「やめろー!」笑いながら追いかける3号。手には3号が使っていたダンボールと同タイプのダンボール。なんと、説得するとか優しい言葉をかけるのではなく、隅っこから3号を自然に引っ張り出しました。しかも揉め事の中心になったダンボールの代わりになるものまで持って。ダンボールをヒョイッと投げるだけで、こんなになる?
これは凄すぎる。一流のプロの保育士でもできません。というわけでこの子は「プロ」と呼びましょう。
ちなみに神聖な場所の横に建造された神聖な建物。壊れては修復しを繰り返し、また復活しています。この形は第一回で作られていた「イッツ ア スモールワールド」の再現ですね。まさにタイムマシン。時が戻っている。そして、ただ再現するだけじゃない。前回は2人で作っていましたが、今日は4歳児男子5人で作っています。再現しているけど、高度なやり方で「やり直している」。つまり、成長している。
「イッツ ア スモールワールド(小さな世界)」は『世界中誰だって微笑めば仲良しさ』と歌っていますが、まさにそんな感じの世界が作られていきます。
ダンボールの中で薬に囲まれて落ち込んで寝ているレインボー。落ち込んで寝るなんて、前回のワンちゃんや3号と同じです。いつもはみんなを励ます子なのに、一体何があったのか。
そこに近づくワンちゃん。どうやらマットのズレを指摘された時に言い返した言葉でレインボーを傷ついてしまったようです。自分の言葉でこうなったことがわかっている。
やけになって薬を投げ捨てるレインボー。それを拾ってダンボールに戻すワンちゃん。揉み合いになり、土台が崩れて倒れるダンボール。泣き叫ぶレインボー。ダンボールを支えるワンちゃん。もう収集がつきません。
再びいじける3号。今度は別の5歳児が様子を見にきます。「何があったの?」と優しく聞いています。なんでこうなったのかを丁寧に説明する3号。それを何も言わずに聞いている。
「行動」で気持ちを表現している子を変えるには、「言葉」で気持ちを表せるようにするしかありません。それを仲間同士でやっています。言葉で気持ちを伝えられれば、端っこに行くという行動をする必要がなくなるからです。
遊ぶだけで1人ひとりが成長していく。
お友達を傷つけてしまった苦しみから逃れるためか、神聖な場所に逃げてきたワンちゃん。天使がワンちゃんの手を握り、勇気を与えます。
そうか。このためにこの場所は存在したんだ。誰かに勇気を与えるため。人と人を繋ぐため。
そして現実に向かって走り出す2人。仲間に支えられ、勇気づけられ、もう一度あの場所へ。
そうだった。君と一緒ならなんだってできる気がしたんだ。僕たちは1人じゃない。今は他にもそう思わせてくれる友達がいる。もう、何も怖くない。
4歳児女子チーム。記念写真を撮っています。「遊園地にこういうのあるじゃん」と言っていました。確かにどこの遊園地にもありますね。
あれ?この子達は遊園地のこと覚えてる。もしかしたら、ずっと遊園地作りをしてくれていたのかもしれないですね。きっとそうなんだろうと思いました。思い出の写真撮影。家族写真に見えるくらい、この遊びで仲良くなった。
「○○ちゃんはいつもそうだ!僕の話を聞いてくれない!もういいよ!!」
人に本音をぶつけられなかった3号が、ついに大女優に向かって本音をぶちまける。人に向き合うって怖い。だけど、そうしないと前に進めないことがある。
友達に支えられ、3号が大きく成長していきます。
「あ!」
大きな声がするので見てみると、ワンちゃんが大女優のダンボールを奪い取っていました。
「これは○○君のだよ。返して」と小さな声で呟いたのを私は聞き逃しませんでした。だけど、それは誰の耳にも届いていない。
「はいどうぞ」
ワンちゃんからダンボールを受け取る3号。
もう飼い主を守るために存在する犬じゃない。自分の正しいと思う道を進んでいく。ワンちゃんは飼い主の元から去っていく決意をしたのです。
大女優にとっては自分を追いかけていた3号と自分を守ってくれたワンちゃんが同時に反抗してきた形です。あまりのショックに泣き崩れています。そんなに思い通りにならないという経験も時には必要なのかもしれません。こうやって人は学んでいくんです。
泣いた人が被害者で、泣かせた人が加害者なのか。物事をどの側面から見るかで被害者と加害者は反転する。この場面だけ見ていた子からすれば、男の子たちが女の子を泣かせてるようにしか見えない。だけど、何度言われても3号のダンボールを返さなかった大女優の方に非はないのかという問題がある。
そして、この場面はワンちゃんが大女優の私物を暴力で奪ったようにしか見えない。全ての悪をワンちゃんが一手に引き受けている。3号のために全ての罪を被るワンちゃん。やり方は良くないけど、その心意気は純粋さに溢れている。自己犠牲が正義ではないけど、この子は他人のために自分を投げ打つことができる覚悟がある。文句も言わず、言い訳もしない。こんなことができる大人がどれだけいるだろう。
短絡的に見たままを真実だと思ってしまう人はとても多い。その人間関係に何が起きているか、その本質を見なければ、真実はわからないのに。
本質を見る?
マンダラはサンスクリット語で「本質を得る」でしたね。天使に励まされたワンちゃんは、「物事の本質」に迫ったのかもしれません。何が正しいのか。私たちはどう生きれば良いのか。
責めてる子も悪気はないし、なんなら、とても優しい。泣いている子を心配している。ここにすれ違いが起きている。それをわかっているから、ワンちゃんは何も言い返さない。それぞれが誰かを思いやる心が、ここにあるだけ。
責められ、その場を後にしたワンちゃんはマットの上に倒れ込みました。流石に、全ての罪を背負うのは重すぎる。
そこにやってきた、さっき2人を励ましてくれた2人。ダンボールを投げて元気付けた「プロ」と話を聞いてくれた「聞き上手」。そして3号。4人は身を寄せ合い、言葉を交わすことなく、抱きしめ合う。
そして3号は小さい声で「ありがとう」と自分の想いを言葉で相手に伝えたのです。行動で気持ちを示すしかなかった子が、言葉で気持ちを相手に伝えている。友達に、気持ちを出せるようになったということ。
ここでちょうど、遊びの時間は終了。片付けになりました。どうしていつも時間ギリギリでこういうことが起こるんでしょうね。
しかし、これで終わらないのが今回のすごいところ。
ワンちゃんについて語る前に、写真の奥をご覧ください。
天使が大女優の手を握っているんです!
泣いてしまったけど、元はと言えば借りたものを3号に返さなかったことが原因。頭の良い大女優なら、もちろんそれがわかっています。そしてそのせいで責められてしまったワンちゃんのことを心配し、罪悪感でいっぱいになっている。そこに現れた天使が一緒に片付けています。人と人を繋げる天使。さっきはワンちゃんを励まし、今度は大女優を励ましている。すごいですね。もう、わけわかんないですよ。
『みんな輪になり手を繋ごう』という「イッツ ア スモールワールド(小さな世界)」の歌詞の通りに手を繋いでいます。
そしてワンちゃん。みんなのおかげで復活はしたけど、一つだけ気掛かりが。自分の発言で傷つけてしまったレインボーのこと。「ごめんね」と一言つぶやきます。
レインボーはワンちゃんの車の後ろに赤い丸を乗せてみます。気が付かないワンちゃん。笑うのを必死で堪えるレインボー。
小さい丸は薬でしたね。薬を渡すということは、相手を気遣っているということ。とっくに許していたんですね。
気が付かないまま薬を落とすワンちゃんの姿を見て指差して大爆笑のレインボー。レインボー、君はなんて強いんだ。強くて優しい。辛い時に笑える人が、本当に強くて優しい人だと私は思うよ。私の目にはちょっぴり涙。
それを優しく見つめるプロと聞き上手。後方では大女優に話しかけるワンちゃんと、それを見守る天使。あっちはあっちでまた仲直りをしている。
やばい。心が震える。
次にレインボーが向かったのは3号のところ。目の前でふざけてみせます。3号はダンボールを返してもらったけど、泣いてしまった大女優や、罪を被ったワンちゃんのことを考えて落ち込んでいたのです。
自分もプラポイントを持ち出して、2人でふざけ合う。笑い合うことで心が軽くなる。傷ついた物同士が寄り添い合い、励まし合う。
そして次はなんと大女優の心のケアへ。すごすぎるレインボー。さすがは調和のレインボー。2歳児と3歳児の物語もすごかったけど、年齢が上がるともっとなんというか複雑な物語になっていきますね。
そしてラストは復活のワンちゃん。すでにレインボーには許され、大女優とは和解しています。それならすることはただ一つ。まだ落ち込んでいる3号の心を救うこと。
偶然にもお揃いの水筒を2つ持ち、一つを奥でいじけている3号に届けにいきます。そして一緒にお茶を飲むのです。僕は全然気にしていないよ、というふうに。
そして奥から3号が自然に出てきた。ワンちゃんはおどけて見せて3号とサポーターの笑顔も引き出す。思わず笑ってしまう3号とサポーター。遊びの時間では間に合わなかったけど、片付けの時間を含めると全員がフォローし合うという、トンデモ展開になりました!
最終回でも良いくらいの怒涛の展開になりましたが、いかがでしたでしょうか。最終回ではなく、最終回でも良いくらい。そうです。まだ終わっていない。まだ和解していない人がいますね。大女優とサポーター。この2人がどうなるのかのドラマが続きます。そして未だ名前のない新キャラクターが物語の中心となり、次回、4歳児5歳児の合同プロジェクトは最終回を迎えます。
歴代最長となったこの第4回ですが、遊園地作りシリーズ自体も歴代最長となっています。読むのもすごく大変ですよね。すみません。あまりにも展開が凄すぎて、削ることができませんでした。どこも切れない。物語が複雑に絡み合って、削ぎ落とすことができません。
子どもの持つ可能性を感じてもらえましたか?子どもには無限の可能性がある。そして、底なしに優しい。この物語を追体験すると、みんなそう思えるんじゃないかと思います。
さぁ、次で遊園地作りプロジェクト、最終回です!