水族館お別れ会の続き、後半です。いよいよ令和4年度ブログのラストになります。
4歳児クラスのイルカショーが終わり、次の企画に移ります。
次は3歳児クラスの出番です。5歳児クラスへ用意したプレゼントが「犯人」に盗まれたと保育士から説明します。
「おーろら探偵団にまかせろ!」
「まかせろー!」
大盛り上がりです。
秋に行った焼き芋の企画をすぐに思い出し、話の趣旨を理解したようです。謎解きと対決で、犯人を捕まえる。ただし、あの時と違い、今度は345歳児クラス全員で捕まえる。
あの時の楽しさを、もっと大人数で体験する。そうすれば、もっと楽しくなるはず。
2クラスで対決し、勝ったらヒントをもらえる魚釣り対決です。
あの時は犯人(大人)と対決しましたが、今日は子ども同士の対決です。
年長クラスは単独行事も多く、今まで保育士と子どもが一緒に成長していく様子を中心にこのブログでお伝えしてきました。しかし、行事だけでなく保育は毎日行われています。紛れもなく、この子達は毎日の生活を共に過ごし、クラスの垣根を超えて、共に育ってきたのです。
それももうすぐお別れです。お兄さんお姉さんに勝負を挑むことは、僕たちもこんなに大きくなったよというメッセージを伝えているというわけです。
3つのヒントから、隠されたメッセージをひなだんの裏側に見つけました。流石は探偵団。すると、3歳児も4歳児もみんな駆け寄って、メッセージを確認します。
子どもの興味関心をどうやって育てるのか。一番簡単なのは、誰かが目を輝かせて「それ」を見ている瞬間に立ち会うこと。自分が好きな人が興味を持っていることって、自分自身も好きになりやすいんです。5歳児が興味を持って目を輝かせていれば、3歳児も4歳児も「それ」を見てみたくなる。ヒントから探し出すということに興味が出てくる。ちょっと複雑な知的な遊びに興味を持つようになる。
これは5歳児の行事ではなく、みんなの行事なんですね。良い傾向です。
みんなが期待していたので、「犯人」再登場してみました。
5歳児だけでなく全員から囲まれて倒される「犯人」。盛り上がりすぎて収拾がつきません。
ちなみにスタンバイしている時に1歳児さんに泣かれました。2歳児さんは笑っていたので、たった一年で「笑い」がわかるようになるんですね。子どもの成長をこんなところで感じました。
犯人から取り返したプレゼントをみんなで見ています。卒園おめでとうメッセージだったんですね。「おー」「ありがとー」自然に拍手がおきます。
ちなみに写真でなぜ後を向いている子がいるかというと、なぜかしばらく会場内にいなかった園長が急に現れたからです。今までどこにいたんだっていう話ですよね。
「犯人だったでしょ?」「違います」
「だってぎゃーって声出てたけど園長先生の声だったよ」「気のせいです」
ご飯の準備をしている間にビデオレターをみんなで見ます。退職した保育士からもメッセージをもらい、静かに聴いていました。
この一年で成長したわけでじゃなく、0歳児から6年間、たくさんの保育士と一緒に過ごして成長してきました。それを振り返ります。
給食をお弁当にして、みんなでブルーシートの上で食べます。遠足の気分です。コロナも落ち着いてきたのでこうやってみんなで食べることができるようになってきました。
いつものテーブルとイスを使わず、クラスもバラバラで食べます。
食べ終わったら20分かけて近くの大きな公園へ。幼児3クラスで最後の散歩です。芝生の坂を駆け回ります。それにしても良い天気ですね。一面緑の世界。エメラルドの街ってここだったんでしょうか。
今の5歳児クラスの子どもたちは4歳児クラスの時に「不思議の国のアリス」を生活発表会で演じています。その中で印象深かったのは「お茶会」のシーン。帽子屋さんのお茶会ですね。それを1年ぶりに演じてみようという企画です。「帽子屋さんのお茶会ごっこ」を再現します。
いろんな衣装の帽子を被り、おやつを食べます。自分のトランプのマークがある席を探し出して、そこにある帽子をかぶるという遊びにもなっています。
「かんぱーい!」と大きな声がお部屋の中に響き渡りました。いつものおやつの時間もちょっとした工夫で、さらに楽しくなります。
4歳児クラスからの卒園おめでとうメッセージを静かに聴く5歳児クラスの子どもたち。一年間の最後を、大きく育った背中の写真で締めくくります。
背中で語ると言いますよね。それって大人だけじゃないんと思うんです。やっぱり年長さんの背中って違います。すっかり大きく、逞しくなりました。
最後はみんなで園歌を歌って、お別れ会は終了。子どもたち同士の絆を深めた会となりました。
保育園は子どもが主役。やっぱり子どもは子どもと関わっている時が、一番輝いています。
駆け足でお送りしてきました令和4年度の遊び解説ブログ。いかがでしたでしょうか。
春から秋にかけて雨に悩まされた年でしたが、焼き芋で雨を乗り越えて以来、クリスマス会も野菜収穫も生活発表会も卒園式もお別れ会も全て雨は降りませんでした。写真はお別れ会当日の空の様子です。見事な青空。これからの子どもたちの未来を祝福しているかのようです。
令和3年度は日常の遊びを中心に、令和4年度は行事の遊びを中心に解説してきました。日常と行事は保育の両輪です。両方揃って子どもたちが育っていくという意味が、わかってもらえるんじゃないかと思います。
この子達からは、たくさんのことを私たち保育士が教えてもらいました。
保育って、ちゃんとやれば保育士も成長するんです。子どもに教えようとか指導しようとか思っていると自分自身の間違いや歪みに気がつかないですからね。うまくいかない時に子どものせいにする保育士になってしまう。子どもを叱るとか注意するという保育では、保育士が自分を振り返らず、子どもの問題だと考えてしまう。それは良くない。
どうすれば子どもが成長する環境になるのか。それを考える保育士になる。子どもを思い通りに動かすことを考えるのではない。
そして愛を交換する。それが絶対に必要です。養護と教育が一体となって保育が行われると保育所保育指針に示されています。つまり「教育は愛情のある関わりと一緒に行われる」ということです。それを令和4年度のブログでは丁寧に解説してきました。
保育士の愛情と教育の中で子どもは輝くんだよ、という解説をしたいというのが裏テーマです。今年度の5歳児の担任は、それができる保育士でした。担任も悩みながら、実にたくさんのことを学べたようです。
インクルーシブの視点。みんな尊重して、みんな関わり合って、みんなで育っていく。それが私の目指す「笑顔の連鎖する」保育園です。
子どもたちの命の輝き。読んでいただいた皆様に少しでも伝えられていれば嬉しいです。
令和5年度はまた別の切り口で遊びを解説していきたいと思います。ありがとうございました。