令和5年度のブログを開始します。

令和3年度は遊びを中心に、令和4年度は年長クラスの行事を中心に紹介させていただきました。令和5年度はどうしようかと考えていたところ、3歳児クラスの担任から「幼児3クラス合同でやってみたい」と話がありました。

2年連続でクリスマス会を合同で行っていますが、準備段階は各クラスバラバラで行い、当日に合流という流れでした。今までは厳密に言えば完全に異年齢のクラスで行った合同の活動をブログで紹介したことはありません。

 

また、私が他の園や小学校等で自分の園の活動を紹介する際にも「1クラスの人数が少ないからできるんじゃないか」という反応をもらったこともありました。「うちの園は345歳児合同だから参考にならない」という反応も。私もそこは引っかかっていました。よし、やってみよう。

 

今年度一発目のブログは「異年齢の合同保育で大人数の遊びでも奇跡は起きるのか」がテーマです。

子どもたちの遊びの世界では奇跡のような展開が起きることがある。これはこのブログで繰り返しお話ししているとおりです。まだ読んでいない人はぜひ読んでほしいなと思います。345歳児クラス合同で奇跡は起きるのか。ワクワクしてきますね。

 

ということで、総勢36名による遊びの様子を解説していきたいと思います。今回は3歳児クラスの担任が考えたコーナー遊びを環境として設定しています。それぞれの遊びが複雑に絡み合い、影響し合い、最後はどうなるのか。長くなるかもしれませんが最後までお付き合いください。

 

それでは、行ってみましょう!

 

♯1

コーナー保育は配置が重要

環境設定はこんな感じです。遊びのスタートは自由スペース。大きなお部屋にテーブルを並べ、一つ一つのテーブルにおもちゃや素材を用意しています。

何を用意するか、その配置はどうするのかが遊びが展開していくために重要ですが、今回の設定は3歳児担任が考えました。遊びが展開しやすい配置になっています。何が良いのかはこれから説明していきます。

 

最初は流される

子どもの遊びは最初は流行っているところへ集まりがちです。一番人気は黒ひげ危機一発とジェンガのあるゲームコーナー。主に5歳児が集まります。他にもブロックや積み木に男の子が、お絵描きや絵カードに女の子が集まっています。

 

画面には全員映っていませんが私を除いて6名の保育士が部屋の中にいます。遊びを観察するため、つまり勉強のためです。

 

遊びにはインフルエンサーが存在する

子どもの遊びはよく観察しているとインフルエンサーつまり周囲に影響を与える子が存在します。その子が遊びを創り出したり広めたりする。自然とみんなやってみたくなる。まさにそんな一瞬を切り取った写真です。中央の子の動きをみんなが見ています。

 

遊びは近いところに伝染する

お絵描きコーナーで集団お絵描きをしているのを見て、別のテーブルに紙を持って行ってお絵描きをする人たちが現れました。手前が真似している子、右奥が元々やっていた子達です。

ちなみにこの「みんなでお絵描きする」のは4歳児クラスが去年生活発表会で演じた「くれよんのくろくん」の再現遊びになっています。子どもの中では過去も現在も未来も全部繋がっているんです。

 

もともと保育士が設定したコーナーが崩れ始め、遊びが段々と自由になっていきます。これが良いんです。大人が子どもを押さえつけていては、子どもはのびのびと育ちません。

 

他の園でコーナー遊び中に、おもちゃを別のコーナーに持っていくのを叱っているという話を聞いたことがありますが、勿体無いですね。子どもの自由な発想が別の何かに繋がっていくんですから。

 

4歳児でも女子

ということで、お絵描きコーナーだった場所に新聞紙を持ち込み、新聞紙遊びが広がっていきます。紙飛行機を折っているようですね。

 

4歳児女子は集団で動きますから、この集団が行う遊びは周囲に影響を与えるんです。お絵描きが伝染したように、新聞紙遊びも周囲に伝染していきます。一人のインフルエンサーによって起こるブームではなく「みんなやっているから」という理由で二次的に流行が生まれる。

 

 

遊びは盛り上がっているところに集まってくる

絵カードコーナーから絵カードを持って自由スペースに来る3歳児2名。ここで園長に絡み、笑い合って盛り上がります。この様子をコーナーで遊んでいる子が少しずつ気付いていく。

 

「あ、コーナーじゃなくて、あっちの空いているスペースで遊んでも良いんだ」

 

そういう意識がみんなの中で芽生える。空間を広く使えるようになり遊びが広がっていく。この後、こっちに子どもたちが流れてくることが予測されるわけです。

このあとこっちで遊びが盛り上がったら、この2人のお手柄だということです。345歳児合同なのに3歳児が鍵となるのは面白い。

 

歓迎のダンス

絵カードで遊んでいた3歳児の女の子たちが自由スペースに移動し始めました。手前に座っている子は4月からの新入園児さん。向こうに行って良いのか迷っているので足が宙に浮いてますね。まだまだ緊張している様子がわかります。

 

声をかけようか、いやもう少し待とう、そんな葛藤を持って見守る保育士たち。そうです。待ってみよう。子どもたちを信じて見てほしい。

 

やりたいことをやればいい

「動」と「静」の活動を選択できるようにコーナー遊びでは読書ができるような静かな環境も用意しています。全ての時間をみんなでワイワイしなくたって良いんです。大人だっていつもハイテンションでいるわけじゃない。やりたいことをやれる。それも幼児期には必要なこと。

 

ブームの終焉

あんなに盛り上がっていた黒ひげも3歳児が入ったり、ルール破りをする子が増えてきて楽しく遊べなくなってきました。もうめちゃくちゃです。

つまらなくなると子どもは移動します。つまり、このあとインフルエンサーが移動するので、遊びの中心地が変化するということです。

 

どこに行くかというと、もちろん…

 

コーナーから自由スペースへ

3歳児女子が開拓した土地に4歳児女子が持ち込んだ新聞紙遊びが入り込みました。そして、そこへ5歳児のインフルエンサーが満をじして登場する。時代の中心はこっちだと言わんばかりに。

 

読書していた子もみんなの遊びを気になって見ています。絵カードと読書コーナーを自由スペースの近くに設置していたのは、これを狙っていたのです。

 

スタートの近くに絵カードコーナーを設置しておけば3歳児女子が最初にそこで遊び始めるだろう。そのあと絵カードを持って自由スペースへ行く子が出てくるはず。そうすれば遊びの中心がこの近くに移動し、新入園児さんが遊びの中心に入りやすくなる。そういう予測です。見事的中。

 

保育士の予測と設定、すごくないですか?

 

遊び込めない3歳児

コーナー遊びは自分のやりたい遊びを自分で選べる。これを主体的な保育だと思っている保育園が多いように感じます。実際はそう単純な話ではありません。

 

例えば、

 

うまくできなくて保育士に泣きつく子。先生がすぐに助けてしまっては自分で解決する力が育ちません。写真を見ていて気がつくと思いますが保育士があまり写っていませんね。子どもの世界で子どもの力で解決していく力を養っています。

 

遊んでいるように見えて遊んでいない子。積み木テーブルの男の子、ただ積み木を並べているだけです。積み木として立体的に何かを作るとか、意味のあるものを作れていない。ただ並べているだけ。工夫がなく、新しい発見がない。厳しいことを言えば時間潰しと同じです。遊び込めていない。

 

果たしてこれで良い保育をしていると言えるでしょうか。言えないんですよ。コーナー遊びっていうのは、ただ遊ばせとけば良いというわけじゃない。だから、私が監修している保育のやり方が子どもたちの成長に必要だということが、この後の流れを見てもらうとわかると思います。

 

破壊は変化の兆し

うまくできなくて積み木をテーブルの下へ落とし始めました。お友達の作った積み木も壊して落とします。積み木がなくなったから別の遊びをしたいと思って、このあと壊された2人は移動することになるわけです。

 

壊してくれた「おかげ」で遊びを変えた。ポイントはここです。

 

ただ積み木を並べるだけで遊び込めていなかった。そんな時に積み木がなくなったので別の場所に移動しようかなと思えた。

 

これが大事です。普通は大人は積み木を落とした男の子を叱るでしょう。お友達の作ったものを壊したらダメでしょうって。でも違うんです。お友達が本当に熱中して遊んでいて積み木ですごい作品を作っていた場合は、この子も壊さないんですよ。子どもって不思議とわかってるんです。壊しても良いから壊してる。そして壊されても良いと思っているから怒ったり悲しんだりもしていない。むしろ笑っている。ここにいじめや暴力の雰囲気はない。浅い解釈をして大人の常識を当てはめたらダメです。

 

この解説をしたところ保育士には「その見極めが難しいんです」と言われました。まぁ、そうなんですよね。難しいです。でも子どもを叱るんじゃなくてよく観察することで見えてくる景色が変わってくる。「壊す」ことがいけないことだという先入観を捨てて、よく観察することが大事だということです。

 

今日一番の笑顔

はい、みんなが盛り上がってるところへ移動し、新聞紙を投げるという遊びになりました。ただ積み木を並べている時と違い、生き生きとしています。横には5歳児インフルエンサー。予想通り良い影響を受けていますね。異年齢保育の良さが出ています。

 

実は先ほど積み木をテーブルから落とされた(投げられた)という体験が、新聞紙を投げる遊びとリンクしています。もちろん4歳児の紙飛行機を飛ばす遊びの真似から入っているわけですが、無意識の世界では「壊す」とか「投げ捨てる」ことの楽しさが伝染しているんですね。様々な事象が影響しあって、それぞれの遊びが変化していきます。

 

世の中は弱肉強食

ところ変わってブロックコーナー。限りあるブロックを4歳児と5歳児が優先的に使用し、自分が使えるブロックが少なくなりつまらなそうにしている3歳児。ちょっとずつちょっとずつブロックをこの後も奪われていきます。

 

4歳児も5歳児も悪気はないんです。ただ遊びに夢中になっているだけ。ずっとテンション高くて盛り上がっている。遊び込めているんです。夢中になるということは視野が狭くなるということ。当たり前のことです。3歳児を除いて3人でどんどんすごい作品を作っていく。アイデアが次々と浮かび、それを説明し合ってイメージを共有していく。遊びに夢中になっている時に子どもは大きく成長する。

 

これも普通は「小さい子にも貸してあげて」と大人は指摘するところでしょう。「この子はブロック少ないけど、自分だったらどうかな?」とか色々指導の対象になり得る。もしそう指摘してしまったら遊びへの熱意や集中力はなくなり、素晴らしい発想力も発揮できない。集中力を発揮したら叱られたと結びついて認識する。何かに熱中することはいけないことだと感じる。つまり小学校に行ったときに勉強でも運動でも集中せずに周囲の視線や評価を気にする子になってしまうかもしれない。

 

遊びに夢中になるということは周囲が見えなくなること。しかし周囲が見えないのは今だけ。夢中になって遊んでいくと自然と周囲が見えてくる時がいずれ来るんです。つまりタイミングの問題です。今すぐに気がつかなくてもいつか気がつく。それが10分後か明日か1年後かはわからない。それをちゃんと子どもたち同士の対話が生まれるような遊びの環境を用意しておいて、じっくりと待つこと。ただ待っているだけではダメで、必ず「誰かと関わることが楽しい」という体験をセットにしていくこと。これで必ず他人の気持ちを理解しながら自分も楽しく過ごせるようになる。

 

よく「好きなことに夢中にさせると良い」と言われますが、ちょっと違います。趣味とか興味のある「好きなこと」に夢中にさせるんじゃなくて、「誰かと一緒に好きなことに夢中にさせる」のが良いんです。人は一人では生きていけません。誰かと一緒に好きなことをしていれば、人を好きになる。そうすれば自分が興味がないことでも誰かと一緒に、もしくは誰かのために取り組める子になります。

 

大人でも仕事に集中していてひと段落ついた時に視野が急に開けて周囲が見られるようになることがあります。または大変な仕事を何度も経験しているうちに集中しながら周囲を見ることができるようになる。経験でも変わる。今の能力や結果ではなく、育成を考える。成長の過程を評価する。

 

ブロックを独占するという「今」の結果だけを評価しないこと。

 

遊びと喧嘩は紙一重

そのうちブロックの取り合いで、無理やり奪う遊びが始まりました。笑いながら取ったり取られたり。しかし、段々とエスカレートしていって喧嘩成分多めに。それを見ていた4歳児男子はコーナーから出ていってしまいました。ブロックを取られていた3歳児もこのあと移動します。

 

最後にはこの2人もブロックコーナーからいなくなってしまいました。遊びに本気だからこそぶつかる。ぶつかることで「ここまでやったらダメなんだ」と理解する。次は加減しながら遊べるようになる。

 

人は失敗から学ぶんです。失敗という宝物を大人が奪ってはいけません。

 

 

人生は紙飛行機

4歳児女子は新聞紙をレジャーシートにして絵カードを使ってピクニックごっこを始めました。他の人たちからすれば実に邪魔ですね。

 

紙飛行機をピクニックごっこの上で飛ばしているのも4歳児です。ピクニックごっこが邪魔だということを逆に利用して遊んでいるんですね。「どいて」とか「邪魔」とか言いません。これがお互いの楽しさを尊重して工夫して遊んでいる姿です。すごいですよね。

 

そして飛ばし方を教え合う2人。男の子は先ほどブロックコーナーから移動してきた子です。さっきはブロックを独占していたのに今はピクニックごっこを尊重して遊べている。さっき叱らなくて良かったですよね。ちゃんとできるんですよ。

 

全体を見て立ち回る5歳児

飛んで行った紙飛行機や新聞紙が廃材工作の箱の中に入ってしまったので、それを取り出してくれる5歳児。ただ、ポイっと投げるように出していたので、周囲から見ると遊んでいるように見えます。特に3歳児からすると。箱に入れて出す遊びに見える。

 

取って入れて出す

はい。3歳児が集まってきて箱に新聞紙を入れたり出したり始めました。実に楽しそうですね。絵カードを入れる子も出てきて、現場は大盛り上がりに。もうコーナー関係ないです。

 

ブロックより楽しいものがある

積み木コーナーから移動してきた2人を発見するブロックコーナーから移動してきた子。手には最後に残った小さなブロックの車。これだけ取られないように死守してきたのでしょう。1時間以上ブロックコーナーにいたのは視野が狭く新しい遊びを作り出すのが苦手だから。だけど仲間が楽しそうに遊んでいるのを見て、この謎の遊びに興味を持ち始めている。

ブロックは遊び方がほぼ決まっているけど、新聞紙を箱に入れて出す遊びは自由な発想が出てきた遊び。「遊びを創造する」のを保育方針に掲げる私たちとしては今日一番良い状態になっているこの場所。そこにやってきたんです。

 

今日からオレたち親友(マブダチ)だぜ

壊され奪われて居場所を追い出されて流浪の旅に出た2人。一人で90分近く遊んでいた2人は最後にここで出会い、一緒に遊び始めるのです。新聞紙と箱とブロックの車を使って。遊びが融合しました。素晴らしいですね。

 

さぁ、今日の活動もいよいよクライマックスです。一人で遊んでいた子、あと2人いましたね。みなさん覚えていますか?

 

読書だって2人でできる

ブロックコーナーから出て読書コーナーへ来た右の子は、もともと読書をしていた左の子と話しています。楽しそうに2人で迷路をしています。一人も良いけど2人も良いよね。そう思ったんじゃないでしょうか。

ブロックコーナーで夢中になって周囲の子と話し込んでいたので誰かと話したい関わりたいという気持ちが強いままだった。だから絵本コーナーに行っても隣の子に話しかけ、先ほどの遊び込みの集中力を発揮して一緒に遊んでいる。ブロックの時間があったから、ここに繋がっているということです。何一つ無駄になっていない。

 

さぁ、あと一人。

 

あと一歩踏み出せたなら

新入園児の3歳児。何度も人に近づいては椅子に戻るを繰り返します。緊張している。でもみんなと遊びたい。勇気を出して近づく。でも戻る。

 

部屋中の保育士たちがこの状況に気がつき、息を呑んで見守っているのが私にはわかりました。心の中で「頑張れ」「あと少し」、必死に応援する保育士たち。自分の力で乗り越えるんだ。

 

心もピクニック日和

ついにその瞬間が。保育士たち見たらみんな満面の笑み。なんならちょっと泣いてる。みんな同じ想いなんだなぁ。「ここの保育士みんな良い人だな」と思って心が暖かくなりました。自分の園なのに変ですよね。

 

他の園にいくと、遊びに入れない子に対して保育士が遊んであげてしまうことが多い。もしくは「仲間に入れてあげて」と一緒に遊ぶことを強要するかもしれない。ご家庭でも公園とかでそういうことあるんじゃないでしょうか。

 

自分の力で仲間に入っていくと自信がつきます。本当に自分の力100%で問題を解決する体験。これが問題解決能力の育成です。文部科学省が言っている「生きる力」とも言えます。これは子どもを見守っていれば良いということではありません。「見守る」という受け身の姿勢の前に「保育の計画」があり「環境設定」がある。そして当日の「保育士の関わり」が適切であることが必要です。

 

遊びが広がり、深まり、展開しやすい環境を用意しておく必要があります。保育とは環境保育です。保育所保育指針にもそう書かれています。子どもの環境が適切かどうかで育ちが変わってくる。先生が教えるんじゃないんです。子どもが自分自身で主体的に学んでいくことが大切です。

 

ピクニックごっこは4歳児女子が始めた遊び。新聞紙も4歳児が持ち込んだ。ピクニックごっこは参加しやすい遊びです。ごっこ遊びだから演じることで仲間に入りやすい。そして絵カードがあるから、よりごっこ遊びが広がりやすい。保育士が用意した環境が異年齢の子どもたちの知恵や関わりで融合し、最後は新入園児と在園児の架け橋となりました。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。いつもの2、3倍のボリューム感でお届けしました。読むのも理解するのも疲れますよね。というか、これ書くのめちゃめちゃ大変でした。異年齢大人数の遊びの解説は大変だということがわかりました。

 

 

最終的に一人で遊んでいる子が一人もいない状況になりました。時間的に間に合うかギリギリで見ていてハラハラしました。全員が誰かと一緒に遊ぶことを楽しいと思う体験ができている。コーナー遊びという、分断されがちな設定なのに、みんなの心が繋がっていくという素晴らしい展開でした。何度も言いますが、環境設定が適切だったから起こったことです。ただ待っていても今回のようなことは絶対に起きません。

 

そしてその場にいる保育士たちの想いが、なぜか子どもたちの遊びに影響していく。祈り、願い、心配、喜び、様々な私たち大人の感情もまた子どもたちにとっては環境の一つです。直接何かを話すとか叱るとか指摘するんじゃなく、心で関わる。大人の愛情が子どもの遊びを良いものへ変えていくんです。

 

全体的な説明を少ししておきます。

 

自分で解決する力を養うためには様々な体験を通して自分で試行錯誤するだけでなく、楽しいという気持ちや目標やルールを仲間と共有する体験が必要です。今回の345歳児プロジェクトでは自然と遊びを共有していき、協同遊びの基礎を作ることを目的としています。

 

例えばこのあと3歳児や4歳児が、5歳児年長さんになって七夕まつりでお店を作るプロジェクトをやるとします。お店を作るという共通の目標に向かって工夫したり仲間と協力する(過去のブログ参照)ためには「同じ目標や楽しさを一緒に感じられる」という前提条件が必要になります。

野球で言えば甲子園に行くという目標の人と体力向上が目標の人では一緒に活動していて良い結果を出せるはずがありません。目標や楽しさを共有できることが必要。

だから箱に新聞紙を入れて出すという楽しさを共有するとか、一人より2人で一緒に本を読むのが楽しいとか、新しい人間関係を自分たちで構築していくとか、そういう体験を「今」たくさん行っているんです。未来につながっている。種を蒔いている。

 

今回のコーナー遊びプロジェクトは、3歳児プロジェクト保育に4歳児と5歳児が参加しているという構造なので3歳児クラス中心で解説しています。今回は5歳児があまり出てきてないし、4歳児女子も細かくは触れていません。全部解説するとみなさんの理解を超えてくると思うので、3歳児中心で次回以降も解説していこうと思います。

 

そうなんです。実はこれ、まだ第一回なんですよ。最終回みたいな雰囲気出していて、まだ序盤です。あと数回やってます。今回はその場で影響を与え合うという解説が多かったと思いますが、過去が今の遊びに影響を与えるという展開が次回以降に出てきます。そして異年齢の関わりが複雑に絡み合って遊びが変化していきます。

 

次回以降もお楽しみに。