ついに焼き芋当日となりました。
焼き芋自体は給食後に行います。午前中は担任が考えた特別企画です。
保育士扮する警察から捜査のお手伝いを依頼されるちびっこ探偵団(5歳児)。まずは動画で犯人の特徴や何をするべきかを教えてもらいます。真剣な表情で説明を聴く子どもたち。なお、動画は他のクラスの保育士たちが協力して作成しており、5歳児クラスの行事だとしても園全体の行事だと捉えています。
園内に隠された証拠を探しにいきます。胸についているのは自分でデザインして作った探偵団のバッジです。
ヒントがどこに隠れているかわかりません。いろんなところを探しにいきます。
ヒントを集めるとパズルになっていたりクイズになっていたり、謎を解いてさらに新しいヒントを得られるようになっています。
なかなか難易度設定が難しく、担任は苦労していました。最初の案だと簡単すぎて協力する必要性がなくなるので考え直しを園長が指示、苦労して考えた第二案、ちょうど良い難易度でした。子どもの姿を正確に捉えていなければ、こういった企画やゲームはうまくいきません。保育って奥が深い。
謎を解いた探偵団の前に、さつまいもを盗んだ犯人が現れました。どうでしょうか、みなさんこのシルエットに見覚えはありませんか?
そうです。某探偵アニメの黒ずくめの犯人です!
鼓笛で演奏したあの曲が主題歌のアニメのキャラクター(?)が保育園に現れました。
奪われたさつまいもを取り返すために、犯人と対決することになりました。写真は麻酔銃で「おっちゃん」を眠らせる対決の様子です。
黒づくめの目の位置がズレたことで子どもたちが大爆笑。ひとしきり笑ってから対決開始です。
見てください。この表情を。まさに獲物を仕留める直前のハンターの眼光です。片目をつむって狙いを定め、腕と腰を固定してブレないように「骨」で銃を持つ。これはまさにプロのやり方ですね。どこで知ったんでしょうか。それとも犯人に勝ちたいという意志が、彼の素質を開花させたのでしょうか。
いくつか対決がありましたが、こちらはボールを転がしてゴールに入れる対決です。実はこの遊び、春にやったことがあります。その時にはズルをする子がいて、変な雰囲気で終わっていました。半年経った今、あえて同じ競技に挑戦したいという担任のチャレンジです。
今回はズルをすることもなく、普通のルールを守って楽しむことが出来ました。成長を感じることができて良かった。
というか、保育園の中でこれが行われているのはシュールですね。だんだん黒ずくめがいても気にならなくなりました。慣れって怖いですね。
対決に負けたのにさつまいもを返さずに逃げようとした犯人を、警察と探偵団が協力して捕まえました。
「犯人、逮捕だー!」
無事、さつまいもを取り返し、焼き芋をすることができます。喜ぶ子どもたち。
この企画は担任の下準備と当日協力してくれた保育士たちによって作られたものです。これを読んでいる方も、保育士の愛情が感じられるんじゃないかと思います。子ども主体の保育もしますが、こうやって保育士主導で子どもの笑顔を作り、教育的な効果を感じられるような保育もする。
保育士主導と子ども主体。2つ揃って保育です。
準備が相当大変なんですけどね。その分、子どもたちが楽しんでくれたし、いろいろ学べたようで良かった。ちなみに犯人の中身が誰なのかは内緒です。「園長先生が犯人?」と3月になっても、いろんな子に言われますが、犯人の正体は謎のままにしてあります。もしかしたら大人になっても「保育園に黒い人が来た」ってことを覚えているんじゃないかなぁ。楽しい思い出は人生を豊かにします。
さて、長い焼き芋の日の保育も、まだ午前中です。次回は午後の焼き芋の様子をお伝えします。