最後のリハーサルも終わり、運動会当日まで残り3日。今回は前日までの子どもたちの様子をご覧いただきます。残り数日となれば、もう上手くなるかどうかじゃなく気持ちの問題になっていきます。

 

 

遠足の思い出は運動会へ

5歳児が作る入退場門。子どもたちが考えたデザインは水槽。水槽の中を泳ぐ魚たち。春に遠足で行った水族館がテーマのようです。

 

心が一つになっていることが、入退場門を見てもわかるはずです。

 

 

首傾げ可愛いポーズ

構成のポイントその7。小太鼓。あえて同じリズムで「ポーズあり」と「ポーズなし」の場所がある構成にしています。わざと間違えやすいようにしているんです。なんとなくわかっているだけでは間違える。ちゃんと区別して覚えないとできるようにはなりません。

 

この子達には、深く考えて何が適切かを選択できるようになってほしいのです。

 

 

連続可愛い決めポーズ

構成のポイント8。中太鼓。楽器隊の要として基本のリズムを任せています。だけど急に3人の合わせ技を入れている箇所が2つあります。同じリズムを繰り返すというのは自分自身に集中すること。隣の子の後にポーズを決めるのは他者に集中すること。その2つが共存するような構成にしてあります。

 

惰性と勢いでやってしまうのではなく、途中で気付いて切り替えられる子になってほしいのです。

 

 

ジャンピング足上げ

構成のポイント9。シンバル。あまり目立つことをしない子達に一番目立つ動きを入れてみました。シンバルはどうしても前に出る楽器ではありません。ですから、この子たちに見せ場を曲の中にできるだけたくさん作りたかったんです。

 

サビ前の一番わかりやすいタイミングでジャンプして叩く。これを成功させるためにはジャンプのための「溜め」が必要なので「そろそろ来るぞ!」というプレッシャーに打ち勝つ必要がある。自分のタイミングではなく、音源に自分が合わせに行く。そういう体験をすることができます。

 

 

大切なのはハートだというメッセージ

構成のポイント10。大太鼓。昨年度までは大太鼓にはベースとなるリズムを刻む役を与えていましたが今年度はメインを張るようにしてみました。とにかく叩くリズムは全楽器中一番種類を多くしてあります。

 

全員が主役になるというのはこういうふうに見せ場を作る工夫が必要です。どうしても単調なリズムになりがちな大太鼓を難しくして、この子達の挑戦する意欲とモチベーションを上げています。

 

そして、ソロのポーズでは子どもたちのアイデアを取り入れ、ハートを作るポーズにしてみました。演奏中にバチを手から離すという荒技。なかなか思いつきません。子どもの発想は面白いですね。

 

 

手を繋ぎ、心を繋ぐ

パラバルーンはもう練習というより、仲間の絆を確かめ合うのが目的という感じになっていました。

 

ここが私は一番好きなところですね。パラバルーンを触っている場面じゃないけど、子どもたちの雰囲気がよく出ている。絆というか、心が繋がってる感じ、伝わりますよね?

 

 

憧れは活力に

自然と他のクラスがパラバルーンを見学するようになりました。憧れの年長さん。そのかっこいい姿を後輩たちに見せつける。

 

最初は全然できなかった。だけど諦めずにみんなで工夫していたらできるようになった。後輩たちに見せたいのは、その「工夫」と「諦めない心」です。

 

 

後輩のために

自分たちの練習後にいつものように走るのではなく、次の4歳児クラスの練習の前によさこいを披露しています。つられて一緒になって踊る4歳児たち。

 

去年踊ったよさこいを、後輩に伝承するかのように動きを確かめながら踊っていく。もう自分たちのことだけを考える5歳児たちではないのです。本番が近くなり、他のクラスの成功も願うことができるようになってきています。

 

 

増えるお約束のボケ

練習後の挨拶は、縦に並ぶ、人数を数えさせないように隠れる、猫語で挨拶、ポーズで締める。ここまでが恒例となってきました。回を追うごとにお約束の動きが増えていく。自分たちの中でしか通用しない「内輪のボケ」ですね。

 

最後まで遊びの気持ちで練習をしてきました。幼児期において学びとは遊び。遊びが教育です。中学校や高校の部活とは違います。「楽しい」がとにかく大事です。

 

 

三つ編みが似合う男

本番が近づくに連れて不安が高まる子どもがいます。上手くできるかなとか、お家の人に良いところを見せたいとか、期待されているとか、いろんなプレッシャーが子どもたちにのしかかる。だから誰かが安心を与える必要がある。

 

とりあえず私は一ヶ月、朝から合同保育に毎日入り、不安な子たちの気持ちを受け止めることにしました。私の周りに集まる子どもたち。いつからか私の髪を三つ編みにするのがブームに。誰が一番細い三つ編みができるか、どれだけたくさんできるか等、いろんな楽しみ方をするようになっていました。

 

そしていろんな種類のブロックで髪を留められることに気づいてからは、こんな感じです。大人が子どもに身を任せているというのは、なかなかあることではありません。私が心を許しているから、子どもたちも心を許してくれる。子どもたちは三つ編みをしながら色んな話をしてくれました。

 

安心と挑戦のサイクルで子どもは育つ。私はそれをいつも意識しています。

 

 

チューニングしているところを撮影させてもらいました

太鼓のチューニングも保育士が行います。私は素人なので楽器のことはわかりません。できる人が率先して5歳児のために力を貸してくれています。ありがたいことです。

 

私だけの力でできることじゃない。みんなに支えられて、運動会があるのです。

 

 

担任と過ごした日々

最後のパラバルーンの練習。今は担任が目の前にいるけど、当日はこの位置にはいません。自分たちだけで立ち向かうことになる。

 

でもきっと、この子達なら大丈夫。そんな雰囲気があります。ここに来るまでに担任に十分に支えられてきたから、安心して発表に集中できるはず。

 

 

集団のバックショットってかっこいいですよね

背中で語るのは大人だけじゃない。この子達の背中が、なんだか一回りも二回りも大きくなったように感じます。

 

今は前方が壁ですが、当日は保護者の方がカメラを構えて見守っています。今日は誰もいない壁に向かって演奏していますが、あと数日でたくさんの視線が子どもたちに向けられることになる。

 

本番はもうすぐです。

 

 

最後に間に合う不思議

天丼マンの行進の終わり方。いつも揃わなかったのに、最後の最後でうまくできるようになりました。

 

ちゃんと、間に合うんですよね。不思議です。正しい努力と導きがあれば、必ずできるようになる。環境さえ作れば、あとは子どもを信じるだけで良いんです。

 

 

私はこの顔が見たい

派手に喜ぶわけじゃない。声を出すわけじゃない。外には感情を出さない。だけど、自分の中だけでじわっと感じる達成感と「できた」という感覚。一瞬だけ口元が微笑んだ瞬間をカメラが捉えました。

 

これが、自分を乗り越えた瞬間の子どもの顔です。素敵でしょう?

 

 

全員で気合い入れ

全ての練習が終わり、最後に345歳児で明日の運動会の成功を願って気合いを入れる。

 

今回の運動会の成功というのは、失敗しないことじゃない。「挑戦すること」そのものを見せることじゃないかなと私は思います。

 

 

よく見ると面白い顔をしている子がいますよ

前日の5歳児たち。最後の練習で撮影しました。

 

ついに、明日、本番の舞台に立つ!

 

 

写真撮影用の看板です

そして迎える運動会当日・・・。

 

 

青色が映えますね

自分たちで作った入退場門。

 

水族館の遠足から5ヶ月。あの頃の僕たちはもういない。

 

 

もうすぐここから入場し、鼓笛を披露する・・・!

 

 

静かにその時を待つ

子どもたちを待つ楽器たち。

 

もうすぐ挑戦の最後の舞台に子どもたちがやってきます。

 

本番はもうすぐです!