345歳児合同のコーナー遊びから始まり、新聞紙遊びを挟んで、七夕まつりのプロジェクトまで丁寧に解説してきた3歳児シリーズですが、いよいよ今回で最終回です。本番まであと1回。さぁ、どうなるのでしょうか。

 

♯3

行動に2重の意味を持たせる

七夕まつりに向けて、織姫と彦星のイラストを見せて気分を高めます。七夕の話をしているように見せかけて(?)衣装の見本や参考として織姫と彦星のイラストを見せています。担任に確認してないけど多分そうです。高度な技を使っていますね。

 

 

お店屋さんのリアリティを持たせるために乳児クラスの保育士を召喚

前回までの遊びで切っておいたスズランテープがだいぶ傷んでいたのもありますが、今回は自分で好きな色を「お店屋さん」に注文するという設定にしました。意欲的に選ぶ子どもたち。自分で選ぶ。それが意欲につながります。

 

星型も同じく、お店屋さんに注文して好きな色を受け取っていきます。

 

子どものせいにしないで大人が環境を作っていく

前回、制作シートが透明だったために床との境目がわからなくなり、夢中でスズランテープに色を塗っていた子が床も塗ってしまったという出来事がありましたね。

 

それを踏まえ、今回は透明の制作シートに色のついた枠をつけてみました。

 

結果は大成功!

 

全員が枠の中で制作をすることができました。何回か繰り返せば、枠を作らなくても透明の制作シートの上でできるようになるはずです。きっかけだけ与えれば、経験の中でシートの上で制作するんだという意識を自然と持てるようになっていきます。こういう小さな工夫で子どもの成長度が変わってきます。

 

 

私、きれい?

衣装を作ったら鏡でチェックする子が現れました。それを見て何人か集まってきた。こんな感じで他の子が何をしているのかに興味を持ち、真似してみようという気持ちを育てていく。

 

自分がやりたいことだけをやるんじゃなくて、他の人が何をしているのかに興味を持てる子にする。そうしないと協力して何かを一緒にやろうという気持ちにならない。つまり、こういう体験を3歳児クラスで繰り返すことで、4歳児や5歳児で協力する遊びができるようになっていくわけです。

 

鏡を見る習慣がつけば、身だしなみを気にするようになる。身だしなみを気にするようになれば、他人から自分がどう見られているかを気にするようになる。生活習慣もこの活動から身につくように考えています。つまり、鏡を見るだろうということは、今日の活動の前に私たちは予測していたということです。

 

 

最高の仲間たち

今日のハイライト。最高の瞬間を写真に取れました。

 

この一体感。仲間と共に同じ気持ちを共有している。みんなでやると楽しいな。みんなで作ったよ。かわいいでしょ。

 

ただ衣装を作るのは保育ではないんですよね。この瞬間のためにやっているんです。心を育てるのが、保育です。

 

 

笑顔で歌います

最後の練習。笑顔で行うことができました。

 

今回は全員衣装も作ったし、違う遊びにもなりませんでした。自由遊びで様々な学びがったから、お友達との気持ちの共有があったから、ここまで辿り着けたんです。

 

さぁ、仕上げといきましょう。

 

楽しいから、工夫する

七夕まつりでは紙コップ投げ大会という、自分で工夫して作った紙コップを投げて距離を競う大会を行なっています。3歳児クラスでも「投げる」楽しさをたくさん感じて欲しいので、後半はボールを投げる遊びを展開していくことにしました。

 

まずは、私が持っている白いカゴに、子どもたちが指定された色のボールを集めて持ってくるルールで遊びを行います。

 

自分でやりたくなるようにする

そのうち、白いカゴを持つ役割をやりたくなる子が出てきます。そうしたら私がなんとなくカゴを手放し、子どもたちでやらせてみる。何も言わない。子どもたちでどういう遊びが展開されるかを今度は見守っていきます。

 

 

逃げる役と追いかける役

白いカゴを持って逃げるという遊びが始まりました。これは、白い箱を持って逃げて追いかけて、という遊びが以前ありましたが、それの再現遊びです。過去と現在が繋がっていく。

もちろん、今回は白いカゴに指定された色のボールを入れるというルールが追加されており、遊びが高度になっています。

 

 

あの場所へ

この場所は全てが始まった場所。そして母なる海であるブルーシートと倒れる遊びのパーテション。しかし、遊びに夢中でそれらはスルーです。つまり、今の遊びに熱中している。今までの遊びは過去のものとなり、今のこの子達にはもう必要ない。

 

それだけルールのある遊びに夢中だということです。レベルが上がっている。

 

 

工夫できる子たちになっていく

逃げるカゴを2人で持つ。これは2人で手を繋いで逃げる遊びからの派生です。

 

そして、進行方向を予測して先回りして「通せんぼ」するという工夫が右の男の子に見られています。そして足止めを受けている間にボールを取りに行くことを考えた左の女の子と男の子。完璧なチームワークが発揮され始めています。

 

 

渡しはしない!

足の裏が黒いことをみんなに伝えるという「つなぐ」タイプの子でしたが、積極的に遊びに参加し、通せんぼの後は白いカゴを掴み、奪いに行きます。積極性が育っている。なぜ右手だけで掴んでいるかというと、左側に体重をかけて、重さで相手の動きを封じているからです。体の使い方も覚えてきている。乳児から幼児への移行が感じられますね。

 

ウォーキングデッドを見つめるエルサ

知らず知らずのうちに白いカゴを持つのは交代制になっています。次は自分の番という約束だったのに、テンションの上がったみんなにカゴを引っ張られて泣き出す女の子。

 

その様子を右から見ているしゃがんでいる女の子。

 

この流れ、これまでのブログを丁寧に読んでくれている人には予測できるんじゃないでしょうか。

 

 

しかも、みんなプリキュア

「革命軍」が指示を出し、「ドクター」が先導し、「エルサ」と「さだまさし」が泣いている「ウォーキングデッド」を助けて歩き出す。この名前も今回で見納めです。

 

遊びが変わっても、これまでに培った仲間の絆は変わらない。

 

 

母なる海は、天の川へ戻っていく

最後はブルーシートを天の川にして、渡れないというルールでのボールの投げ合いです。初回ではブルーシートを天の川にして欲しかったのに潜って遊んでしまってました。今回はちゃんと「天の川(渡ることはできない)」というイメージの共有をしながら遊んでいます。

 

これまで、革命、ゾンビ、生まれ変わりと遊びのイメージを共有してきたからこそ、こうやってルールのある遊びができるようになってきた。その過程をこれまでゆっくりと丁寧に紹介してきました。

 

後は七夕まつり本番を待つだけです。本番の様子は4歳児と5歳児の活動の紹介の後で触れてみたいと思います!

 

 

以上です。

 

 

とんでもなく長いシリーズになってしまいました。いかがでしたでしょうか。子どもの遊びって深くて面白いということが伝わってくれれば嬉しいです。もちろん、園の保育がどういうものかを伝えたいなという想いもありますし、保育士の工夫やスキルを紹介することで世の中の保育士たちの勉強になれば良いなという願いもあります。

 

あまりにも面白かったので写真多めにして丁寧に書いていたら、とんでもなく大変な作業になってしまい、かなり大変でした。それでもこの3歳児シリーズが完結したのは何よりも子どもたちの素晴らしさを伝えたいという園長としての強い意志です。そして保護者の方や読者の方からの反響もいただき、励みになりました。ありがとうございました。

 

自由遊びが少しずつ形になっていき、全員が複雑に影響し合って成長していくという姿は、普通に遊びを見ていても気がつきません。私の子どもを見る視点、遊びを解釈する視点がなければ、深い理解が生まれず、保育士と子どもの相互作用が起きないので、このような展開にもなりません。奇跡を起こすには、それなりの技術と、愛というか心が必要です。

 

今回は3歳児クラスの担任の保育士が上手だからこうなったんだということを最後に付け加えておきます。私とこの保育士が揃ったから、このような素晴らしい遊びになったんです。世の中の保育士たちにはこんな感じで保育をして欲しいなと思っています。

 

七夕まつり本番の様子は、4歳児クラスと5歳児クラスの様子を紹介した後に345歳児合同の紹介として扱おうと思います。

 

さて、次は4歳児クラスの様子をご紹介します。また違った展開になっていますのでお楽しみに。