狼から自分たちを守るために部屋全体に壁を作って前回の遊びは終わっています。さて、第二回はどういう展開になるのか。私たちもワクワクして遊びを見守ります。
♯2
設定は同じです。新聞紙は新調せずに、前回の新聞紙を再利用します。もったいない教育という意味合いもありますが、前回と同じ新聞紙を選んだり、前回の形や大きさからインスピレーションを受けるかもしれないという意図もあります。
前回の遊びで印象的だった端っこが今回はブームとなりました。そこにみんな入ろうとする。その隣でじゃんけんをして鬼ごっこをする子たちが現れました。違う遊びが同じ場所で展開されています。つまり、その2つの遊びがこの後に融合する可能性を示唆しているのです。
突然、咆哮を上げ、怪物が現れました。前回バリケードの中で怯え、女の子に守られていた男の子です。人間だと思っていましたが、どうやら違ったようですね。なんの前触れもなく覚醒し、人々を襲い始めました。
もしかしたら狼という天敵をみんなで排除したことで、安心して自分の本当の姿をさらけ出すことができるようになったのかもしれません。
逃げ惑う子どもたち。部屋全体を使った追いかけっこが始まります。怪物の方はハイハイで動く4足歩行の生き物のようです。幸いにも怪物のスピードが遅い。人間たちは走って逃げます。
近くにじゃんけんで鬼ごっこの鬼を決めていた子どもたちがいましたね。
前回、手を繋いで走るという遊びがあった。
狼から逃げて隠れるという遊びもあった。
3つのイメージが融合して、この追いかけっこの遊びが展開されたんです。
逃げ遅れた子が!
このままでは怪物の餌食になってしまう!
逃げ遅れた子を守ろうとする子が現れました。
他の子を守るために怪物を止めに来た女の子が噛まれてしまいました(実際は噛んではいない)。前回のラストで狼から守ってもらった女の子が今度は他のみんなを守る行動に出ています。
そして、前回、狼から命を守ってもらって生き残った2人が戦っている。
なんという運命の悪戯!
噛まれた子も4速歩行になり、「ガオー!」と吠えています。
怪物に噛まれると、噛まれた人も怪物になるということらしいです。そんな設定誰も言ってないんですが、自然とそういうルールになりました。他の人もみんな納得して設定を受け入れています。
感染は広がり、怪物は3人になりました。
そしてオリジナルの怪物から2番目の怪物へ「何か」が手渡されました。
一体何なのか。それが明かされるのは、なんと次の週(次回)になります!
今日は謎のままで話は進みます。
一連の怪物騒ぎに気づく青い髪留めの子。そうです。345歳児合同遊びで独裁王国を崩壊させ人々を解放し、前回は狼から身を挺して2人を守った、あの子です。
自分が命を救った2人が、罪のない人々を襲っている。
私があの2人を守ったことは、間違いだったのか?
彼女が出した結論は
「・・・変身!プリキュア!」
「えい!ヤァ!」
怪物はゆっくりとその場に倒れていきます。
仕方がなかったんだ。
自分はみんなを守らなければならない。
そのせいで、誰かに恨まれても。
アンパンマンの作者のやなせたかし先生は言った。
「本当のヒーロというのは、自分自身が深く傷付くものだ」
そう。たとえ、倒した相手が、自分が大好きな人であっても。
「あああああああああああああ!」
部屋中に響き渡る叫び声。
もうこの世界には、あの人はいない。私の愛する人は。
私の命を守ってくれた人が、私の愛する人をこの世界から消し去った。
私はどうすれば良いの?
心も身体も傷ついたプリキュア。部屋の奥で倒れてしまいました。看護師さんに看病されます。手前に寝ている子も怪物の犠牲者。でも医者がいない。治すことができない。ここは野戦病院なのかもしれません。
もう歩くこともできません。ハイハイで移動します。
あの人の姿を探してしまう。
走って追いかける看護師さん。
看護師さんの目を盗んでは脱走するのを繰り返します。
荒廃したこの世界で人は何を求めて生きていけば良いのでしょうか。
現実を受け入れ、お友達と元気に話をしています。
あの人が居なくたって、世界は変わらない。
私たちは生き続けなければならないんだから。
と、その時でした。
え?
まさか
生きていた。
あの人が生きていたなんて!
あの人が両手を広げて私を呼んでいる。
再会を喜ぶ怪物になってしまった2人。
それを目撃するプリキュア。
3人の運命が交差するッ!
抱き合う3人。しばらくそのまま動かない。時間が止まる。それは永遠。
守ったり、戦ったり、恨んだり、落ち込んだりしたけれど、そんなことはどうだって良いの。
だって、あなたが生きていてくれたから(という表情をしていると思いません?)
3人の物語が始まると思いましたが、怪物となってしまった2人は、この世界を2人で生きていくことに決めたようです。
手を取り合って、歩き出します。
人間を襲ってしまった自分たちは、もう人間とは交わることができないのだから。
看護師さんに連れ戻された傷だらけのプリキュア。
見覚えのある場所に辿り着きました。
ここは思い出の場所。
2人が、いや3人が出会い、運命が変わった場所。
片付けの時間になりました。
怪物2人は寄り添いながら新聞紙を拾っていきます。片時も離れることはありません。
そして看護師に作業を促されるプリキュア。2人が無事だったことは嬉しい。でも、その隣に私はいない。これで良かったのかな。きっと良かったんだよね。
私は人間で、あなたたちは怪物になってしまったのだから。
第二回は以上です!
はい、とんでもない展開になっていきました。まるで海外ドラマを見ているかのような重厚なストーリー展開でしたね(私の妄想ですけど)。それにしても主演女優2人の演技が凄すぎる。動画で撮れば良かったなぁと思いました。他の子たちが出る幕がありません。
途中からストーリー分析にさせてもらいました。前回のわかりやすい3歳児の遊びの変化の説明とは全然違う展開です。
少し真面目に解説を入れます。
前回は実際には存在しない「狼」という架空の敵から逃げる、守る、という設定をみんなで共有して遊んでいました。今回は、「怪物」という人類の敵を実際の子が演じることで、設定を共有して遊んでいます。
つまり、役割を分けて立場の違いや関係性を理解した上で協力して遊んでいるということです。たった1日で遊びの質が数段深まっているのがわかりますでしょうか?
ファンタジー世界の脳内キャラクターである「狼」を仮想敵にして全員が逃げる役割で統一されていた前回と違い、今回は実際に敵味方に分かれて遊んでいるわけですね。一つの遊びをするために、それぞれが違う役割を担って協力する。これはもう4歳児や5歳児クラスの遊び方です。
さて、怪物となった2人とプリキュアの物語はどこに向かうのでしょう。次回、3歳児新聞紙遊び、最終回です。