卒園式が終わりましたが、それは園と子どもと保護者の中での卒園のイベントです。もうひとつ大切なイベントが残っています。
お別れ会。つまり、卒園児と在園児の、最後のお別れのイベントです。
全クラスでやりたいという保育士たちの意見を採用し、まずは012歳児クラスと5歳児クラスのふれあい遊びからスタートです。
写真はバスごっこの様子ですね。5歳児の膝にのる012歳児。数年前は膝に乗る方の立場だったのに。大きくなったなぁ。
たくさんの曲を一緒に楽しみ、ふれあい遊びは終了。
ふれあい遊び終了後、5歳児クラスの子どもたちから012歳児の子どもたちを抱きしめに行きました。私たちは何も言ってません。申し合わせたかのように全員が同じ行動をとりました。
見ているこっちが温かい気持ちになりました。君たちを送り出す会だというのに、私たちが感動している。本当にすごい子どもたちです。
ふれあい遊びをしている間に幼児クラスではおもてなしの準備を行なっています。3歳児クラスは水槽トンネルを作っていますね。準備は今日だけではありません。何日も準備を重ねてきました。3歳児お別れ会プロジェクトです(今年度は解説できていないプロジェクトが多数あります)。
4歳児クラスは海のカーテンを作っていますね。こちらも4歳児お別れ会プロジェクトで準備などを何日もかけて行っています。
誰かのためにとか、相手を想って行動する。そういう体験は子どものうちにしておいた方が良いと思うんです。大人になると照れ臭かったりしてやらなくなる。純粋な子どものうちに純粋な気持ちをたくさん育んでおきます。
看板も子どもたちが作りました。保育士が作った卒園式の水族館とはまた違った良さがあるんじゃないでしょうか。
保育士が卒園式を水族館にしたいと思って飾り付けをしましたが、3歳児4歳児が同じ思いで子どもたちなりにその気持ちを表現するっていうのがすごく良いなと思いました。
012歳児とのふれあい遊びを終えて幼児室に戻ってくると、桜のトンネルがお出迎えです。
「まだかなー」
「みんな、合わせて!」
「10、9、8、7・・・3、2、1、ゼロー!」
トンネルを作る方も楽しそうです。
この水槽は5歳児が春に作ったものではなく、3歳児と4歳児が作った魚を展示しています。自分たちが前にやっていたことを、一年近く経って後輩たちがやっている。3歳児と4歳児の子どもたちの成長を5歳児の子どもたちが感じ取ります。
3歳児4歳児クラスの子どもからすれば、お兄さんお姉さんがやっていたことを自分たちが行うことになる。こんなに難しいことをやっていたんだと、5歳児クラスの子どもたちの凄さを知ることになるわけです。
時間差で同じ活動を行うことが、相互理解の体験になっています。
こちらは水槽トンネル。こちらも水槽内では3歳児と4歳児が作った魚たちが泳いでいます。
子どもはとにかくトンネルが大好きです。でも最近の水族館はみんなトンネル水槽がありますけど大人にも人気だということを考えれば、海の底にいる体験ができるのはみんな大好きってことですよね。
はいはいで通るってのがポイントです。0歳児に戻っているというか「赤ちゃんごっこ」になっているわけです。童心に帰ると言いますが、少し前の自分になるということはリフレッシュ効果があります。懐かしい感覚は人を癒す。
水族館の遠足で楽しみにしていたことの一つにイルカショーがありました。今回のお別れ会では、4歳児クラスの子どもたちがペンギン、アシカ、イルカ、シャチになってショーを披露しました。ショーの内容は子どもたちが考えたものです。
ショーで使われる音楽は今年の5歳児クラスの子どもたちの一年間を思い出させる曲たち。運動会や発表会で使用した曲です。踊りも一部真似て踊っています。これも難しい踊りをすることで、5歳児クラスのお兄さんお姉さんの凄さを感じとる体験です。
5歳児クラスの活動を行うということは「5歳児クラスごっこ」です。真似っこ遊び。5歳児の子どもたちを真似ることは、5歳児らしさを自分の中に取り込むこと。あの子達の知恵や優しさや勇気を自分のものにしていくこと。
5歳児クラスの子どものための企画ではありますが、しっかりと3歳児クラスも4歳児クラスも教育的な意味合いを持たせることができています。
この子達も、いつか虹を超えていけるのでしょうか。楽しみですね。
012歳児のふれあい遊びの直後と同じく、イルカショーが終わった直後に4歳児、そして3歳児の子どもを抱きしめに行く5歳児の子どもたち。
感謝と愛情は、態度と行動で示していく。想っているだけでは相手に伝わらない。素直な子どもに育ちました。一年間の最後を、抱きしめ合って締めくくります。
愛情が、笑顔が連鎖していく感じがしますね。きっと今の4歳児クラスの子どもたちも、一年後のお別れ会で素敵な笑顔を見せてくれるんでしょう。
お別れ会、後半に続きます。