345歳児合同プロジェクト「お別れ会」その3です。

絵本作りから徐々に進化していく5歳児クラス。みんなで作ることを意識していく3歳児4歳児クラス。まだまだ全体像は見えてきませんが、完成に至るその過程をご覧ください。

 

 

#6

 

ろくろ首革命、うさぎ革命を経験して、今度はどんな展開になっていくのでしょうか。

5歳児クラスです。

 

 

大量生産至上主義

今のクラスの製作ペースでは全員にプレゼントする個数が足りないということを意識し、作品の質を落として大量生産体制に入った2人です。ビジネスとしても正しい選択ですね。全体の状況を踏まえて自分が何をすべきかを的確に把握しています。もう周りが見えていなかった、あの頃とは違います。

 

 

ハードカバーチーム

こちらもハードカバー付きの絵本を製作しています。わからない文字を周囲に聞きながら、少しずつ完成させていきました。早く作るのが向いている子もいるし、この子たちのようにじっくり時間をかけて良いものを完成させていく子もいます。一人ひとりが力を発揮するのはどういう環境なのかを私たちがしっかりと見極めていくだけで、子どもたちがのびのびと力を発揮していくのです。

 

ちなみにペットボトルの蓋を並べている子がいますが、後に、このペットボトルの蓋がお金になります。小銭として生まれ変わる前の状態です。

 

 

完コピ

細かい絵本の絵も字も完全にコピーすることを目指していました。こういう才能の発揮も素敵ですね。一番細かい作業をすることができています。みんなが同じ能力を持つ必要がありません。組織の中にはこうやって状況を細部まで見通せる人材が必要です。

 

 

れーしと?

ここにきてやっと細い紙切れの正体が判明しました。箱に「れーしと」と書いてあります。つまり、「レシート」を作っていたようです。だから全部の作品のタイトルを書いていたのですね。

 

こうなると、絵本を読むかプレゼントするというプロジェクトだったはずが、お金やレシートを使ったプロジェクトに変化していく未来が見えてきます。お店屋さんごっこ的な要素が入ってきそうですね。大人が最初に思い描いていた方向性と違うわけですが、それこそ子どもたちの意欲や興味が生み出した、子どもたちの心の底から出てきた「やりたいこと」ということです。

 

ただし、これが全員で共有していけるのかという問題が出てきます。この子たちだけがやりたいのであればチームとしての方向性ではなくなります。ただの好き勝手な我儘になる。保育士から誘導をせずに自然と全員で統一の意思になっていくのかどうか。現時点では何の保証もありません。

 

 

楽しさは伝染する

大量生産していたはずの子がレシートを作り始めました。こうやって、子どもの楽しさは伝染していきます。これも対話です。心が繋がっています。

 

 

関係者打ち合わせ

しかし、お店屋さんを準備しているチームに、興味があった子がうまく入ることはできませんでした。関係者が集まって打ち合わせをしていますが、そこに入れず後方で本を製作していた子たちと会話しています。別に仲間はずれにしているわけではなく、なんとなく仲間に入れない。そういった経験、私たちにもあったりしますよね。この、なんとなくまとまらない感じが残っている場合、5歳児全体のムーブメントにはならずに終わるでしょう。

 

どうなるかが分からないから面白い。脚本のないドラマを観ているような感覚です。

 

 

#7

こちらは3歳児4歳児チームです。プレゼント作りが終わったので、次の企画に移ります。

 

 

テーマに合わせた集団お絵描き

テーマごとに絵を描いていきます。テーマに合っていれば何を描くのも自由です。

 

プレゼント作りは5歳児を意識して製作をしましたが、あくまで個人の創意工夫の産物でした。そのため、今回からは仲間同士の交流が生まれるような活動になっていきます。

 

 

乗り物がテーマ

どこのテーブルに行って描くのかは自由です。途中で移動も自由。ここのテーブルは乗り物をテーマにしています。まだ合同でお絵描きすることに慣れていないので、それぞれの絵が干渉しないように場所をズラして描いているようです。

 

もっと活発な交流が生まれることをこちらは期待していますが、それが自然に生まれて来るのを待ちます。

 

 

自由に描ける環境設定

こんな感じで真ん中のローテーブルにペン類が置いてあり、それを囲むようにテーマを設定したテーブルを置いてあります。これにより、全体をよく見渡すことができ、行動領域が広がっています。また、あえて椅子を使っていません。椅子を用意すると、同じ場所にずっと座ってしまって移動が減るのと、描く場所が椅子の前に限定されてしまうことで自由な発想が減るからです。これらも保育士の環境設定の工夫です。

 

 

お花完成

お花、木、葉っぱつまり植物がテーマのコーナーでしたが、これが完成形です。なぜかピカチュウがいますが、面白いのでOKです。そもそも正解なんてありません。

 

1人がチューリップを描いているのを見て、なんとなく自分も描いてみるとか、影響し合っているのが作品からもわかります。会話をしていてもしていなくても、絵で交流をしています。

 

5歳児の子どもたちへの巨大プレゼントとして、3歳児と4歳児クラスの子全員で大きな絵を描けたら良いなと思って、その練習を行なっていますが、練習で終わってしまうかもしれないという不安もありました。このプロジェクトはコロナ感染との戦いでもあるからです。もし園に感染の波が押し寄せてくれば即刻中止になってしまう。

 

そのため、毎回毎回、一応の終わりが来るような構造にしてあります。中途半端で終わる体験を子どもにさせないためです。今回であればテーマ別の集団お絵描きをしたという満足感と達成感を得られています。最悪、ここで終了しても変ではない。できれば最後までやりたいという想いはありますが、最悪の事態も想定しながら保育の計画を立てていきます。

 

 

さて、ここまでで準備は半分くらいです。長いでしょう?

まだまだ続きます。