5歳児七夕まつりプロジェクト、スタート編です。
導入でイメージを掴み、これからは各自がやりたいゲームを選び、お店を作り上げていきます。
各自がやりたいものを選んでもらったところ、
輪投げ 2人
射的 3人
金魚すくい 7人
・・・以上のように決まりました。大人が決める場合、均等に4人ずつと枠を決めてしまいがちですが、ここは子どもの主体性を大切にする遊びの時間です。人数を決めたり調整はしません。このままスタートします。
何も指示せずお店の準備するよう伝え、たっぷり時間をとった後に集合。お互いをお客さんにして、初めての接客です。
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輪投げの第一回
輪投げチームです。完成したのは的が一つ。輪はもともとあったものを使うようです。開店してみましたが投げる位置と的の位置が近すぎるし、一個しかないしでお客さんの反応もイマイチです。
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射的第一回
複数の的ができていますが、ルールが存在しないため、お客さんが自由に行なっています。複数人数が勝手に好きな位置から撃っている状態です。
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金魚すくい第一回
まず作ったのは看板です。なんとも可愛らしい看板です。お店に必要なものをイメージして作ることができる子もいれば、お店に関係のない自由工作をして時間が終わる子もいました。経験したことがないことを0から理解して作り上げることはとても難しいことなのです。
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片付けで悲劇が起こる
片付けるという建前でプールにダイブしてめちゃくちゃに遊ぶという展開が今回も起こりました。「壊れちゃうからやめて!」と止める子と興奮してエスカレートする子。あまりにも危険なので園長が一度注意をしました。ほとんどの子はそれで収まりましたがすぐに同じようにダイブする子もいます。言うことを聞けません。
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壊れる金魚すくいのおもちゃ
そこで何かに気付いた子どもたちがいました。「みんな、どいて!」と声をかけて一生懸命何かを拾っています。そこで見つかったのは壊れてしまったおもちゃでした。「かわいそう」「もうやめようよ」次々と声が上がります。
自分たちで行動の結果に気付き、それを共有し、どうすれば良かったのかを理解する。深い学びが起こった瞬間でした。
実はこれ以降、あまりにも興奮して自分をコントロールできなくなることはほとんどなくなりました。保育士が叱っても注意しても効果が薄かったのですが、子どもの力そして集団の力によって全員が一段上にレベルアップしたのです。
これこそが人数構成員の少ない家庭でできないことであり、教師や保育士による指導や自由保育という個別の遊びの環境では起きない現象です。
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ダイブさせない工夫が登場
次の回では金魚すくいチームでプールの周りに器を並べる子が現れました。前回のように四方八方からお客さんがプール内に入らないようにバリケードを作っているのです!
何も保育士は言ってません。前回の反省を踏まえ自分たちで考えた改善案です。もちろん「入らないでください」等の店員さんとしての声かけもしています。
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的が増加
射的チームは的の数が大幅にアップ。しかし直線上に並べるだけで配置の工夫はありません。逆に直線に並べてしまうことでいろんなところからお客さんが撃つので収集がつかなくなっています。まだ子どもたちの中では「作る」ことが面白い段階です。それをどう「活かす」のかという段階ではありません。それはもう少し先のことです。
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輪投げも的が増加
射的と同じように輪投げチームも的が増加しました。そして同じように直線に並べています。投げる位置が前回より近くなっていますが、これは投げるお客さんが位置を決めているからです。店員さんは距離がどう結果に影響するかは考えられていません。つまり、ルールが育っていない環境ではお客さんのスキルや能力に依存して遊びが展開するのです。
保育者が「距離遠くない?」などと言ってしまうと自分で本当の意味で気付いたことになりません。保護者のみなさんも保育士たちも自分が思っているより「つい答えを言ってしまう」傾向にあります。それは子どもの成長を奪うことになる、もったいない関わりです。
こんな感じで、制作、実践、振り返りを毎回繰り返していきます。
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射的に少しずつ秩序が生まれる
射的では相変わらずお客さんが自由に撃っていますが、ある程度の距離を保つよう声かけが始まりました。また、撃った後に弾を込めるのを店員が行い、装填したらお客さんに渡すという流れが確立してきました。お客さんの能力に依存するのではない、店員さん主導での接客が進んでいきます。
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秩序のない輪投げチーム
輪投げのメンバーは作る事に集中している段階なので接客のルールまで意識できていません。
しかし、このあたりから「開店準備!」と担任が伝えると時間を意識して準備することができるようになってきました。作ることに集中するあまり周囲が見えない傾向にあった子たちが「間に合わない!」「そっちはどう!?」と声をかけ合って準備しているのです。それまでは時間が過ぎても開店準備ができていなかったり、みんな集合しても集まらずに制作を続けることが多かったのですが大きな成長です。
開店の様子を見ると奥と手前でそれぞれお客さんが勝手に投げていて、うまくいっていないように見えます。しかし、結果ではなく、その過程、開店準備までに成長が見られています。結果しか見ない保育士には気付けない視点です。
子どもを評価する際に結果で見るのではなく、その子たちの良いところや伸びているところを自然と気付けるようになるのも保育士のスキルです。
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景品が登場
金魚すくいチームに景品が登場しました。今まではただゲームを行うだけでしたが「〇〇をすれば景品がもらえる」という一連の流れが生まれました。行動に対する結果を意識しなければ思いつかない発想です。
金魚チームの景品の登場により、射的チームも輪投げチームも景品を作り始めます。このようにそれぞれのチームの遊びを経験したり見ることで、良いところを自分のチームに取り入れていきます。
まだ序盤ですがいかがでしょうか。こうやって変化を追っていくと成長が見えて面白いですね。