345歳児合同プロジェクト「クリスマス会」その2です。

 

3チームに分かれて準備を始めた5歳児クラスと飾り付けに入った3歳児クラスの様子を前回はお伝えしました。

 

それでは続きを見ていきましょう。

 

 

#4

 

5歳児クラスは前回、設計図やイメージ画を描いて製作の方向性を固めていましたが、今回からチームごとに分かれて準備を進めていきます。

 

 

使えるものはないかな

ピタゴラスイッチチームは園長の私が担当しています。園内を一周して、使えそうな道具はないかを探していきます。乳児さんが遊んでいるお部屋にもお邪魔して、何やら見つけたようです。

 

大人の手助けを全く受けずに子どもの力だけで成功するのを私は狙っているので、私が担当していると言っても何も手伝いません。子どもたちの発見や気付きを大切にして基本的には見守っています。

 

子どもからは「手伝いなさーい」と怒られましたが、笑って誤魔化しています。近くに大人がいると子どもは頼りたくなるものです。そして、大人側も手伝いたくなるのですが、じっと我慢です。主役は子どもであって、私たち大人ではありません。自分でやるしかないと思った時に、人は本気になると思いませんか?

 

 

決まったことを担任に披露する3人

がっきチームは主任が担当します。子どもたち3人で話し合い、曲、それぞれの使用する楽器、発表時の配置を決めていきます。振り付けというか楽器の演奏内容についても子どもだけで決めていくのを主任は確認していくだけです。

 

正直、たった1日でここまで決まるものなのかと驚きました。鼓笛隊を運動会でやった経験が活きているのでしょうか。何を決めていけば本番で滞りなく発表できるのか、というゴールから逆算して必要なものを考えることができています。とても頼もしいです。

 

 

頭の中のイメージを形にしていく

つくるチームは担任が担当です。こちらもほぼ見守っているだけです。自由に作っていきます。共通のイメージとして、プレゼントの箱があるみたいですね。前回と前々回に何を作りたいかのイメージ画をたくさん描いていましたが、それのおかげでしょう。いきなり作り出したらこんなスムーズには進みません。急がば回れ、です。

 

七夕まつりの時は、形をどうするかだけを考えて廃材をそのまま使用したので見た目を整えるという意識も技術もありませんでした。水遊びおもちゃ作りで色や見た目を意識できるようになってきて、今回のクリスマス会では装飾をしていくところまで来ています。

 

どうすれば箱の周囲を色紙で包めるのか。立体の構造を理解しなければできません。より複雑な思考と技術が要求されますが、それをこなせるほどの成長があったということです。

 

 

ジングルベルに決定

振り付けまで完成してしまったので、がっきチームは忘れないように歌詞を模造紙に書いて、そこに振り付けの内容を書いておくことにしました。

 

みんなで歌いながら歌詞を書いていきます。文字もスラスラ書けるようになりました。小学校に向けて、あらゆるスキルを身についてきているのが分かるんじゃないでしょうか。

 

保育所保育指針に「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」というのがあるのですが、このクラスはそれを達成しつつあります。

 

①健康な心と体

②自立心

③協同性

④道徳性・規範意識の芽生え

⑤社会生活との関わり

⑥思考力の芽生え

⑦自然との関わり・生命尊重

⑧数量・図形・文字等への関心・感覚

⑨言葉による伝え合い

⑩豊かな感性と表現

 

一つひとつがどの活動に当てはまるのかを解説はしませんが、私たちはこのブログを通して上記の姿をいくつも見てきたのではないでしょうか。

 

 

 

#5

 

再び3歳児クラスです。前回の雪だるま作りは導入でしたが、今回から本格的にクリスマス会の準備に取り掛かります。

 

 

職人集団の仕事風景みたいな写真

今回はクリスマスブーツ作りから入ります。穴が空いていて、そこに紐を通すのも通さないのも自由です。飾り付けも自由。書いても良いし、何かを貼り付けても良い。

前回の雪だるま同様、それぞれが自分なりに工夫しながら作っていきます。クリスマスのイメージを膨らませながら。

 

 

みんなでクリスマスツリーを作る

作ったブーツをクリスマスツリーに貼っていきます。ブーツだけでなく、他に何をどう飾っても自由です。自分の作品が早く終わった子から全体の飾りへと進みます。こうすれば時間に無駄ができません。

 

緑の三角形を三つ重ねて茶色の四角の上に並べている子がいますね。それがミニツリーになっていることに感動して他の子が集まってきています。

 

こうやって形を作って遊ぶと面白いと気付いた子たちが話し合いながら色々工夫し始めました。4歳児の「みんなで木を作る」プロジェクトでも見られた、集団遊びの雰囲気に近いものが見られています。

 

 

みんなで眺めるのって大事

途中まで完成した時点で、みんなで眺めてみます。これも4歳児のプロジェクトと同じですね。自分の作品だけでなく「みんなの作品」という共有のイメージを持つことができました。これをしておくと、次回の準備がより仲間意識が強くなるんです。

 

こうやってやるんだよと私が担任に教えたわけでないのに、4歳児担任も3歳児担任も同じような進め方をしていますね。こういった保育士の成長もまた、私にとっては喜びです。結局、子どもたちによって私たち大人が成長させてもらってるんですよね。

 

 

いや、一緒に成長しているのかもしれません。

 

 

そしてこれを読んでいるみなさんも、あの子たちと一緒に、私たちと一緒に、成長しているんじゃないかと思います。そう願っています。

 

 

 

#6

 

いよいよ4歳児クラスの登場です。お待たせしました。

 

 

成長した背中

この写真どこかで見ませんでした?そうです。5歳児クラスの最初の写真とそっくりじゃないですか?これはクリスマス会で何をしたいかを聞いているところですが、5歳児クラスと同じように、意見がたくさん出てやる気もあるのがわかります。あと数ヶ月でこの子たちが年長さんになる。そんな頼もしさを、この背中から感じ取ることができますよね。

 

結局、4歳児クラスではダンスを発表したいという意見でまとまりました。そこで2チームに分け、振り付けを考えるチームと衣装を考えるチームに分かれて進めることに。これも今までの5歳児クラスっぽいですよね。いつの間にこんなことができるようになったんでしょう。

 

 

砂場で泥遊びをしていた子たちの大きな成長

衣装のベースとなる紙を切り抜いて頭を入れるところを作り、飾りをつけたり色を塗ったりしていきます。手前の子はクリスマスだからサンタさんの衣装を作っているのでしょうか。春には大きなブロックを積むことでしか自分を表現できなかった子たちが、自ら何かを作り出しています。

 

後ろの子たちは色々なところを切ってみてどうなるのか実験をしているようです。最初から正解だけを求めるのではなく、正解まで辿り着くその過程を楽しんでいます。これが良い。すごく良いですね。切りすぎて衣装として使えなくなる子も出てきますが、今日は「衣装を考える日」で「衣装を作る日」ではないので、これで問題ありません。いきなり本番にせず、試行錯誤する時間をたっぷりとる。これが保育や子育ての大事なポイントです。

 

 

振り付け発表と手拍子のコラボレーション

5歳児クラスが振り付けやら何やらを1日で考えたのもすごいなと思ったのですが、まさか4歳児もすぐに振り付けを考えてしまうとは考えてもみなかったです。しかも斬新な振り付けだと思いませんか?立って踊るという固定観念を捨て、座って踊る部分があるんですよ。発想が面白い。

 

そして、発表を見ている子どもたちも自然と手拍子をしているのも良いですね。違うチームでも、一緒の仲間なんだという連帯感を感じます。

 

 

遅れてやってきて、成長を見せつけてくる4歳児クラスでした。

 

今回はここまでです。一気に準備が進んできましたね。