さぁ、いよいよこの時がやってきました。3歳児と4歳児と5歳児のプロジェクト保育を追いかけてきたこのブログも、ついに3クラス合同で行われるプロジェクトを解説するところまで来ました。

 

プロジェクト型の保育というのは、子どもの興味から始まった共通の目的(プロジェクト)を子どもが考え、話し合い、協力し合いながら進めて達成するものです。

 

5歳児は七夕まつりなど自分達でプロジェクトを進めるところをお見せしていますが、十分に育っていない3歳児、4歳児ではマットやままごとで遊んでいるように思えて、本当のプロジェクト型の保育に向かう準備をしていたのです。考える練習。仲良くする練習。工夫する練習。様々なことがありましたが、それはこのクリスマス会につながっています。

 

それでは、解説スタートです!

 

 

#1

 

オリンピックプロジェクトで関係が深まり、運動会でパラバルーンと鼓笛を発表することで心を一つにし、グッと成長した5歳児クラスから始まります。

 

 

企画会議

クリスマス会で何がしたいかを担任が子どもたちに聞いていきます。3歳児クラスや4歳児クラスと一緒にやりたいという意見も。やりたいことがたくさん出てきます。やる気が溢れてますね。

 

3歳児と4歳児にプレゼントしたいという意見が一番多かったので、2チームに分かれて、クリスマス会でどんなものをプレゼントしたいかを話し合って紙に描いてみようということになりました。

 

 

好き勝手に描く

こちらのチームでは、各自が描きたいものを描いています。絵はすごく上手ですし、アイデアも豊富で良い感じです。しかし、紙を共有していますが、内容は関連性はなく、協力も話し合いもありません。

 

 

幼児って話し合いができるんですね

一方、こちらのチームはリーダー(右上)主導で話し合いをまず行なっていました。

 

「ねぇ、みんな、どういうものが良いと思う?」

「こういうのはどうかな?」

「うんうん、良いんじゃない?」

「そしたら、こっちはどう?」

「いいね!じゃあ、みんなで描いてみよう。」

 

とんでもなくスムーズな話し合いが行われています。こんなに好意的な雰囲気で進む話し合いは初めて見ましたよ。誰の意見も否定せず、一つにまとめていく。中央にケーキの絵を相談して描いていきました。

 

 

他のグループの発表

お互いの作品を発表し合います。「みんなで考えて描きました。」という発表に驚くこっちのチーム。

 

「ああそういうことね。」

 

1人が小さい声で呟きました。理解したようです。

 

 

みんなで考える

今度はみんなで一つの絵を描くことができました。保育士は教えていないし、向こうのチームから指摘されたわけじゃない。自分達で間違いに気付き、話し合ってその問題を共有し、改善していく。すごいですね。

 

みんなで一つのリースを描き上げました。とっても可愛い作品です。

 

 

クリスマスソング踊ってみた

続いて、踊りたいとか楽器で演奏したいという意見があったので、みんなで踊りながら楽器を使用してみます。

 

人の意見だとしても、一回みんなで試してみる。そうすることで予想外の「楽しい」や「面白い」に出会うかもしれない。そういう気持ちがみんなの中にあるのです。とても盛り上がりました。

 

 

#2

 

5歳児です。前回、試しに経験してみようということで、絵を描いて踊ってみました。その経験を踏まえて、今回は各自が何をやるかを決めていきます。話し合って、自分でやりたいものを選んでもらいました。

 

 

チーム3

右下は「つくるチーム」です。3歳児と4歳児にプレゼントを作ります。

右上は「がっきチーム」です。音楽に合わせて楽器を演奏する発表をします。

左は「ピタゴラスイッチチーム」です。名前の通りです。コースを作って発表します。

 

人数に偏りがありますが、それは興味を最重要視しているからです。人はやりたいことをやるときに最も輝くと思っています。

 

 

ピタゴラスイッチチーム

4月の時からピタゴラスイッチをやりたいとずっと言っていた男の子と、人のサポートをすることに喜びを感じる女の子のコンビです。

女の子のほうは「私は○○くんのお手伝いをするの。」と言っていました。

 

2人で話し合いながら設計図を作っていきます。

 

 

つくるチーム

プレゼントを作るチームです。絵本を見てイメージを膨らませて何を作るか、それぞれが絵を描いています。プレゼントは数が必要なので、今日はみんなで一つに決める必要がありません。各自がイメージを膨らませます。

 

「ああ、それいいね。」などとお友達同士で話しながら進めていきます。

 

 

がっきチーム

楽器チームの発表風景です。こちらも絵本などを見ながら、どんな世界観でやるのかを話し合って絵に表していました。曲を決める前に世界観を共有するって、どんなクリエイター集団なんでしょうね。本格的すぎて面白い。

 

 

#3

 

自分達で明るい未来を掴み取った3歳児のヒーローたち。工作をしたいというのでクリスマス会の飾り製作を担当します。

 

 

雪だるまつくろう

丸や三角に切った色画用紙を使って遊んだことがあったのですが、その時に雪だるまを作っていた子がいました。今回はみんなで雪だるまを作ろう、ということで台紙だけ保育士が用意し、あとは全て自由でスタートです。

 

一斉に様々な素材や工作道具を探しに行ってます。見つけた素材を席に持ち帰り、工夫しながら雪だるまを作っていきます。

 

 

飾り付け

それぞれがやりたいように作っていきます。顔を描く子もいれば、お洋服を作る子も。手足をつける子もいます。バラバラに作っているようでも、お互いの作品に影響されたり、真似したり、一緒に道具や素材を使ったりと交流が活発です。

 

 

完成!

興味深そうに完成品を眺めています。。バラバラに作ったのになんとなく似ているのが影響し合っている証拠です。結局、みんな顔を作ってますので、雪だるまのイメージはあるようですね。自由工作をしている雰囲気でしたが目的は忘れていません。

 

 

 

今日はここまでです。

 

いかがでしょうか。何か、大きな企画が始まったぞ、という雰囲気がありますよね。クリスマス会に向けてそれぞれの準備がスタートしましたが、こんな感じで同時並行で進んでいきます。ぜひ最後までご覧ください。